夏のヴィーガンスイーツづくり欠かせない!寒天の種類と扱い方をご紹介
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毎年、厳しい暑さに見舞われる日本の夏。食欲も失せ、体調を壊してしまいやすい季節だからこそ、涼やかなスイーツをつくってカラダをクールダウンしてみませんか。ヴィーガン対応スイーツづくりに役立つ、寒天の扱い方を覚えてみましょう。
薬膳の世界では「寒性」。カラダを冷やしてくれる寒天の効果
サラダやスイーツなどさまざまな料理に使われている寒天。海藻を原料に作られているので、ヴィーガン食の世界ではなじみのある食品です。 寒天のカロリーは100gあたり3キロカロリー程度。500㏄ほどの果汁で寒天ゼリーをつくるのに必要な棒寒天1本でもわずか8g程度しかないので、1食分の寒天から得られるカロリーはほとんどゼロに近いという、いわば究極の低カロリー食品です。カロリーこそほとんどない寒天ですが、腸内環境を整えてくれる水溶性食物繊維、腸の動きを促進してくれる不溶性食物繊維の両方がしっかりと含まれているため、おなかの調子を整え便秘解消に導いてくれるという嬉しい効能が期待できます。ダイエットをしている人や便秘がちな人には特におすすめです。 また、寒天は薬膳の世界ではカラダの熱をとってくれる「寒性」の食品だと考えられています。夏の暑さで食欲が落ちているときにこそいただきたい食品です。どれを選べばいい?寒天の種類と使い方
寒天には、大きくわけて「粉寒天」「糸寒天」「棒寒天(角寒天)」の三種類があります。いずれも100%海藻ですが、使われている海藻の種類や下処理の方法が少し異なるので、目的に応じて選ぶのがおすすめです。粉寒天は、オゴノリを原料に作られる寒天です。粉末なので計量しやすく、お菓子づくりに少量ずつ使いたい場合に適しています。また、ほかの寒天と違い水戻しの必要がないのも特徴です。
糸寒天は、テングサを原料に作られる寒天です。さっと水戻しして海藻サラダのトッピングとしていただいたり、スープにトッピングしたり…と、寒天のシャキシャキとした食感を楽しみたいときに適しています。熱を加えると溶けるので、棒寒天のように煮溶かしてゼリーや和菓子づくりなどに使うこともできます。
棒寒天は、オゴノリとテングサをミックスして作られることが多い棒状の寒天です。小さくちぎって水で戻し、ぎゅっと水気を絞ったものをサラダに使うか、煮溶かして使うのが一般的。糸寒天よりもごろっと固まりの寒天を楽しみたいときや、お菓子づくりに適している寒天です。
ゼリーなどのお菓子づくりに使う場合、煮溶かす必要がない粉寒天を選ぶと簡単ですが、糸寒天や棒寒天をつかっても問題なくつくることができます。ただし種類によって凝固力が多少異なるため、注意が必要です。
1袋4グラム入りのものが多い粉寒天、粉寒天の4グラムは棒寒天の1本(8グラム)に相当し、糸寒天の24~26本(8グラム)に相当しますので、覚えておきましょう。
見た目も涼やか。寒天を使った手づくりスイーツにトライ!
寒天の扱いを覚えたら、次は寒天を使った手づくりスイーツにチャレンジしてみましょう。今回ご紹介する「甘夏寒天ゼリー」は見た目にも涼やかで、食欲が失せやすい夏にもぴったりの一品です。材料(作りやすい分量) ・甘夏:2個 ・てんさい糖:50g ・水:500㏄ ・粉寒天:4g(棒寒天の場合は1本分) 【作り方】 1.甘夏1つ分の皮を剥き、実を取り出して薄皮と種を取り除きます。食べやすい大きさにカットしたら水(分量外)で濡らしたバットやタッパーに並べておきましょう。 2.もう1つの甘夏は横半分に割って果汁を絞っておきます。 3.小鍋に分量の水を入れ、火にかけます。沸いたら粉寒天を加え、弱火で煮溶かします。棒寒天を使う場合は、事前に小さくちぎって分量外の水につけたものをよくしぼってから使用します。2分ほど弱火で煮溶かし、寒天のかたまりが見えなくなったら砂糖を加えてよく溶かし、最後に甘夏の絞り汁を加えます。 4.3の寒天液をザルなどで漉しながら1のバットに流し入れます。粗熱がとれたらラップなどをかぶせて冷蔵庫へ。よく冷やしたら完成です。甘さ控えめのゼリーなので、お好みでアガベシロップなどをかけていただくとさらにおいしくいただけます。甘夏の皮をくりぬいて使って器にしてもいいですね。水+果汁をジュースなどで置き換えて作る場合も、粉寒天4グラムに対し、ジュース500㏄が上手に固まる目安です。お好みで硬さを調整して、自分のベストな食感を見つけてみてくださいね。