【菜食の種類】ヴィーガンとベジタリアンの違いは?
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ヴィーガン男子のYumaです。
今回は、ヴィーガンとベジタリアンの違いと菜食の世界でおさえておきたい4つの種類について詳しくご紹介します。
肉や魚を食べないヴィーガンとベジタリアン。いずれも菜食主義という点で共通していますが、実は菜食主義者のスタイルは多岐にわたっていて、「何を食べて、何を食べないか」その基準はさまざまです。混同してしまいがちなヴィーガンとベジタリアンの違いについて解説します。
ベジタリアンは一般的に菜食主義者と訳されます。対してヴィーガンは完全菜食主義者といわれ、ベジタリアンよりもさらに厳格な制約の下で生活を送っています。その他にも、細かな違いを含めて20種類近く存在するベジタリアンです。
違いを抑えておきたい4つの菜食グループ(ベジタリアン)とは
多岐にわたり、同時に曖昧な菜食の世界
ヴィーガンとベジタリアンを日本語で表すと、完全菜食主義と菜食主義のためヴィーガンの下にベジタリアンが位置づけられると考える方も多いのではないでしょうか。
しかし実際はベジタリアンが菜食グループの総称で、ベジタリアンの中にヴィーガンやペスクタリアンなど細分化されたグループが存在しています。日本では「ゆるヴィーガン」や「週一ヴィーガン」などという表現も広がってきており、各グループの境界線は曖昧になってきています。
ここからは、特に違いをおさえておきたい4つの菜食(ベジタリアン)グループについて解説します。
フレキシタリアン
セミベジタリアンとも言われ、常時菜食を実践しているわけではないものの、自ら積極的に動物性食材を口にしない人達を指します。健康面の心配からたまにお肉や卵を消費している人や、人付き合いで仕方のない場合に限り一般的な食事も楽しんでいるという人など理由は様々ですが、状況や体調に応じてフレキシブルに対応しているという点で、ゆるヴィーガンや週一ヴィーガンはこのグループに属していると考えられます。
オボラクトベジタリアン
オボ=卵、ラクト=乳製品は消費するが、お肉やお魚を口にしない人達を指します。卵と乳製品を摂るオボラクトは、オボベジタリアン(卵は食べる菜食者)とラクトベジタリアン(乳製品は摂る菜食者)にさらに分かれます。
ヴィーガン
完全菜食主義で、お肉やお魚はもちろん、卵や乳製品、出汁や蜂蜜も口にしません。
五葷(ごくん)と言われるネギやニンニクを避ける「オリエンタルヴィーガン」、菜食に加えて革製品やプラスチック製品の使用、購入も避ける「エシカルヴィーガン」、健康の為のみに目的を絞って菜食を実践する「ダイエタリーヴィーガン」などに細分化されます。
マクロビオティックも動物性食材のすべてを避ける点でヴィーガンに属すと考えられます。玄米菜食と訳されますが、「身土不二」や「一物全体」などの仏教用語が垣間見れるように、西洋で生まれた菜食とはそもそもの思想体系に違いがあります。
ペスカタリアン
ペスカリタリアンは「お肉を食べない」がキーワード。魚介類を摂取する菜食者を指します。中には卵や乳製品を摂る方もいます。
“マクロビオティック”や“オーガニック”はまったく別物
それから、ヴィーガンやベジタリアンと混同されやすいものに“マクロビオティック(Macrobiotic)”や“オーガニック(Oganic)”が挙げられますが、実はこれらはまったくの別物です。
マクロビオティックは中国の陰陽要素を加えた食事療法、思想を指す言葉。玄米などの穀物を中心に旬の野菜や海藻、豆などをいただく食生活を送りますが、動物性たんぱく質の摂取に制限を設けているわけではありません。
オーガニックは化学肥料や農薬などをできるだけ使用しない農業や栽培法を指す言葉です。また、農業のほか、畜産業や水産業、加工方法のすべてを指すこともあります。ヴィーガンやベジタリアンとは異なるものですが、いずれも「食を自ら選択する」という考え方では共通するので、知識として覚えておきたいですね。
その他の菜食(ベジタリアン)グループとは
フルータリアン
果物やナッツ類などのみを摂取する菜食者を指します。
リキッダリアン
水やスムージーなど、植物性の液体のみで生活する菜食者を指します。
ローフード
非加熱食材、非加熱調理の食品や、46度以下の低温調理の食品を摂る方たちを指します。ローフードであれば動物性の食材も口にする方もいます。
ベジタリアンとヴィーガンの違い・種類一覧
ヴィーガン(Vegan)
肉や魚はもちろん、卵、乳製品、はちみつなど、動物に由来する食品を一切排除した食生活を送る人。
フルータリアン(Fruitarian)
ヴィーガンよりも厳しく、収穫しても植物の命を奪うことがない果実や種子、ナッツのみを摂取する人。
ロー・ヴィーガン(Raw Vegan)
植物性食品の酵素に注目し、非加熱食品か酵素を破壊しない46度以下で調理した食品を中心に食べるヴィーガンを指す。
オボ・ベジタリアン(Ovo Vegetarian)
肉や魚、乳製品を排除した食生活を送りますが、たんぱく源として卵の摂取はOKとしている。
ラクト・ベジタリアン(Lacto Vegetarian)
肉や魚、卵を排除した食生活を送りますが、たんぱく源として乳製品の摂取はOKとしている。
ラクト・オボ・ベジタリアン(Lacto-Ovo Vegetarian)
肉と魚を排除した食生活を送りますが、乳製品と卵の摂取はOKとしている。
ペスカタリアン(Pescetarian)
肉を排除した食生活を送りますが、魚と乳製品、卵の摂取はOKとしている。
ポロタリアン(Pollotarian)
牛肉や豚、羊などのレッドミートと呼ばれる獣肉は避け、鶏肉や魚介といったホワイトミートと呼ばれる肉はOKとした食生活を送る人を指す。
オリエンタル・ベジタリアン(Oriental Vegetarian)
台湾などに多い仏教系のベジタリアンで、動物性食品のほか、にんにくやねぎ、ニラ、玉ねぎなどの五葷(ごくん)と呼ばれる食材を避ける。
セミ・ベジタリアン(Semi-Vegetarian)
基本的には肉食を避けますが、チートデイを設けるなど時々肉食を行う人を指す。
【まとめ】“食の選択”という生き方を尊重していこう
いろいろな食の選択が可能な現代で、敢えて制限を設けた食生活を送る理由は人によって違います。宗教や思想が背景にあったり、健康や美容などの志向であったり、その理由は人によって違うものです。考え方が人それぞれ違うように、食の選択にも正解はありません。食には文化や思想が反映されやすいからこそ、互いの価値観を尊重するように、互いの食のスタイルを尊重しながら食事を楽しむ姿勢が大切です。