ヴィーガン男子「Yuma」おすすめ!ヴィーガンについて学べる本4選
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ヴィーガン男子のYumaです。
今回はヴィーガンについての理解を深めたいという方におすすめの本を4冊ご紹介します。
菜食やヴィーガンやベジタリアンという言葉になじみはあっても、それらの選択がどういった経緯でここまで発展してきたのかについて知る機会は多くありません。今回ご紹介する本はそういった根本的な背景について学ぶきっかけになるとおもいます。
動物の解放(ピーターシンガー 著)
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b87004.html
「ヴィーガン」に題材を絞った書籍は実は多くありません。
ヴィーガン×料理(レシピ)の本や、環境問題×ヴィーガンの本など、何かに関連付けてヴィーガンが取り上げられることの方が多いようです。
そんな中で、ヴィーガンの方が手に取る本と言えば動物の解放ではないでしょうか。1975年初版発行、2009年には大幅な改訂が加わった改訂版が発行されるなど、現在に至るまで影響を与え続ける動物福祉論の代名詞です。
シンガーは1974年に「動物解放論」を発表し、その中で種差別(スピーシーシズム)を唱えました。彼は、「肉食文化や畜産業は人間の利益の為に動物に苦痛を与えている」(この際の人間の利益が味覚の満足程度でしかない点を含めて)と主張し人種や性差、階級といった人間社会の枠組みをも超えた「平等」の観念を改めて問いました。
この大胆な倫理の要求は現在でも様々な議論をよんでいます。
環境倫理学(鬼頭秀一/福永真弓 編)
https://www.amazon.co.jp/%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%80%AB%E7%90%86%E5%AD%A6-%E9%AC%BC%E9%A0%AD-%E7%A7%80%E4%B8%80/dp/4130623117
環境倫理学者や哲学者など18人の学者の「環境」に対する知見がうかがえる一冊。
環境倫理学という名前がついた本ですが、その内容は決して環境倫理に留まりません。「生命倫理」や「世代間倫理」、「対物倫理」など「倫理」に対して様々な文化や文脈を当てはめることで読み応えのある内容になっています。
上述の「動物の解放」を取り上げる一方で、この理論に「環境倫理」を当てはめるとどういった議論が可能か、またこの理論に「地域特有の文化を持った食生活を送る人々」という文脈を付け加えたら同じ結論に至るのかといった、角度や視点を変えてさらに一段掘り下げた内容が書かれています。
それ以外にも今道友信 (哲学者)の唱えた「エコティカ」に触れ「対物倫理」という考え方の重要性について書かれた章やBill McKibben - ビルマッキベン の書籍「THE END OF NATURE(自然の終焉)」に書かれた彼の思想を引用し、自然とは何か、環境の定義とは何かについて書かれた章もあります。
この本には明確にヴィーガンについて書かれた箇所はありませんが、ヴィーガンライフを送るうえでの自分の行動、自分の選択が「環境」や「特定の文化」、「他人や他種生命」に対してどのような影響を及ぼし得るのか学びと発見の機会になると思います。
世界屠畜紀行(内澤旬子 著)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%B1%A0%E7%95%9C%E7%B4%80%E8%A1%8C-%E5%86%85%E6%BE%A4-%E6%97%AC%E5%AD%90/dp/4759251332
ルポライターである筆者自らが世界中の屠殺場を取材し、イラストと共にその様子を記した一冊。
ヴィーガンである以上、同じくヴィーガンである方の著書や、ヴィーガンの魅力について書かれた本を手に取るのが一般的だと思いますが、全く逆からのアプローチとして、肉食の世界について書かれた本を手に取ってみるのも手段の一つだと思います。
僕もそう考えてこの本を買いました。
韓国、バリ、エジプト、チェコ、日本といった国々で行われる屠殺現場の様子が綴られた一冊なのでやはり読んでいて抵抗はありましたが、この本を読んだおかげで見えてくる問題点もありました。
それは「畜産業」がその地域の大きな利益の一部になっている事です。一業態で完結する事業ではなく、いくつもの仲介業者や卸業者が関わっており、それら全体の利益はその地域の賑わいを守る大きな柱となっています。
そういった地域ではもはや文化として根差していると言っても過言ではなく、安易にその文化を否定できないというのが現実だと思います。
このような問題をどのように解決していくべきか、関心を寄せるきっかけになる本だと思います。
アジア菜食紀行 (森枝卓士 著)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E8%8F%9C%E9%A3%9F%E7%B4%80%E8%A1%8C-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%A3%AE%E6%9E%9D-%E5%8D%93%E5%A3%AB/dp/406149421X
西洋のヴィーガニズムと、東洋の菜食には多少の差異があります。
この本では主にアジア諸国の菜食事情について触れており、東洋的な菜食の思想体系の全体像がつかめる一冊になっています。
インド、中国、ベトナム、タイ、日本の5ヶ国の菜食について、その起源や目的、他国との比較などを交えて綴られています。
特に現在の菜食に至るまでの各国の経緯をそれぞれ詳しく知れるのは良い点だと思います。
日本でヴィーガンライフを送り、ヴィーガンについて知れば知るほど、日本の国民性や仏教と菜食の密接な関わりなどを感じずにはいられないと思いますが、アジア全体を通して、菜食という選択がどのように受容されてきたのかを知っておくことは、今後日本での菜食やヴィーガニズムをどの様に発展させていくべきかを考える為には必要不可欠です。
この本は著者自身がその地域に赴き、後に取材を重ねて書き上げたようで、著者自身はヴィーガンではないものの、非常にフラットな視点で書かれていて読みやすいです。
今まで紹介してきた他の本とは違って新書なので、持ち歩いてすきま時間で読み進めるのには一番おすすめです。
【まとめ】ヴィーガンについて学べる本4選
今回ご紹介した4冊は、こんな方にお勧めです。- 「動物の解放」→動物愛護の気持ちが強い、動物福祉について学びたい
- 「環境倫理学」→ヴィーガンを含めた倫理的、道徳的な判断や行動について理解を深めたい、これまでの歴史的背景を知りたい
- 「世界屠畜紀行」→各国の屠畜の実態を知りたい、畜産業の影響について学びたい
- 「アジア菜食紀行」→日本を含むアジア諸国の菜食思想の起源に触れたい、歴史的な背景を知りたい
https://vegan-life.jp/vegan-life/1698/