職場でヴィーガンとしての過ごし方とみんなに伝えていきたいこと。

公開日: 2022.1.21

更新日: 2022.9.4

インタビュー

share

「VEGAN’S LIFE」では、健康、環境問題に関心があり、毎日は難しいけど「週1ヴィーガン」を行ってみたい。そんな思いがある方に役立つ情報を発信しています。

今回は、国内外問わず旅行が大好きで、インフルエンサーのプロダクションにて管理職を務める「ヴィーガンキャリアウーマン川﨑チヒロさん」にインタビューさせていただきました。

チヒロさんは最近海外に行かれ、帰国後ホテルでの自主隔離も経験されたそうです。まず、隔離生活において、「ヴィーガン食の手配をどのように行ったのか、大変だったことなどを含め、どのような生活を送っているのか?」からインタビューをさせていただきました。

隔離生活においてのホテルの食事(お弁当)は、ヴィーガン対応ができないホテルだったため、ベジタリアンメニューをオーダーし、原材料などを確認した上で食べられそうなものだけを召し上がったそう。ホテルによっては、ヴィーガン対応が難しいところがあるのですが、空港で事前にリクエストなどは出来ず、振り分けられたホテルに到着してからスタッフに対応が可能か確認することになるので、必ずしもヴィーガン対応いただけるホテルに滞在できるとは限らないそう。

そのような中で、重宝したのがT'sレストラン(T'sレストランは東京・自由が丘にあるマクロビ、マクロビオティック、ビーガン専門のレストラン)で大人気のメニューを再現した「ヴィーガンヌードルの担々麵」だそう。

ヴィーガンのお弁当は用意できないホテルでも、このようにヴィーガンのカップヌードルなどを用意しているホテルもあるようなので、諦めずに確認してみることは大切ですね。

T’sレストラン ヴィーガンヌードル

チヒロさんがヴィーガンになったきっかけを教えてください。

3年前にオーストラリアを旅行した際に、滞在した場所は動物と一緒に過ごせる一軒家でした。もともと動物が大好きだったため、ヤギ・ヒツジなどの動物に触れ合いながら生活できる魅力的な場所でした。動物たちが放し飼いになっていて、ニワトリ、ヒヨコなど沢山の動物たちがいるなかで、私がヤギに餌をあげようとすると色々な動物がよってきて、そんな時ヤギの足元にいたヒヨコが・・・。

ヤギは足元のヒヨコに気づくこともなく、その際に、自分のせいで小さい命を奪ってしまったと、その日から鶏を見るたびに思い出してしまい食べられなくなりました。

また、もともとヴィーガン・ベジタリアンの友人が多く、改めて彼女・彼らの思想と向き合うことで、自らの経験も含め、その際に生き物の命を普段の食事で奪ってしまっていること気づかされ、まずはお肉から止め、次に魚、そして乳製品と徐々に摂らなくなり、段階を経てヴィーガンになりました。

ヴィーガンになって大変だったこと。

結論から言うと、大変なことは全くないです。
仕事上、会食が多いのですが基本的にヴィーガン専門店をあえて選ばないようにしているので、お店の選択肢は多いです。
会食の相手を一番に考え、アレルギーや食べたいものを先に伺った上でお店を探し、そのお店で「ヴィーガン対応が可能か」を確認するようにしています。
ヴィーガンに興味がなかった会食相手にも、ヴィーガンの食事が決してハードルが高くないこと、サラダばかり食べているわけではなく普通のお店で普通に食事を楽しめるということを知ってもらうきっかけにもなりますしね。

以前新宿のとある焼肉屋さんで会食をした際は、私の食事を見て、「ただ焼いたお肉よりそちらのほうが断然美味しそう!」と言われたこともありました。

焼き肉屋さんでの会食【熟成和牛焼肉エイジング・ビーフ TOKYO 新宿三丁目店】

また、ヴィーガンを知ってもらうきっかけや需要を伝えることでお店側にとっても必要なアクションの一つにつながってくれると良いなという思いから、あえて事前に連絡をし、普通のお店にいくようにしています。もちろん、予算や食材の都合で対応できないお店もありますが、こういった問い合わせを受けてヴィーガンやベジタリアンに対応できるメニューをこの先検討していただけるといいなと思っております。

ヴィーガンのお店が増えるのはとても嬉しいことですが、どのお店でもヴィーガンの選択肢がある世の中になってほしいと個人的には思っているので、アクションを起こさずに、外食でヴィーガンメニューが食べられないだろうと諦めてしまうのは勿体ないことだと感じています。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13189068/

職場の方々にヴィーガンであることを伝えたときの反応は?

もともと外食が多くいろんな食事をインスタに載せているタイプだったので、突然の変化にびっくりしている方もいたのは事実ですね。

ヴィーガンになった理由はどのように説明を?

動物が好きで彼らを傷つけたくないからというのが実際の理由ですが、それをそのまま伝えることは、動物が好きだけどヴィーガンではない人を真正面から否定することになってしまいます。

本音を言えば、動物が好きなのにどうしてその子たちを食べられるの?というところなのですが、私自身もともと動物が好きでも食卓に並ぶその食事が大好きな動物の体の一部であるということを考えたこともなかったんですよね。頭の中がお花畑の状態だったんです。なので、ヴィーガンにある程度興味を持った上で聞いてきてくれた職場の人たちにだけ、ヴィーガンになった理由を説明していました

ヴィーガンになったことは伝えづらい?

わたしは今の職場に長く在籍していることもあって、ヴィーガンになったことを伝えやすかったのですが、新卒で入社したばかりの方や転職しまだ自分のことを理解してもらう前にヴィーガンであることを伝えるべきか悩む方もいると思います。
その場合、私個人の考えにはなりますが、はじめにヴィーガンであることを伝えてしまった方がラクだと思います。コミュニケーションの一環で、食事に誘われることも多いと思いますし、伝えることを我慢していると自分の信念に反して食べなくてはいけなくなってしまうこともあるかもしれません。お酒が弱い、食べられないものがある、そういったものはすべて個性なので、後々辛い思いをしないように最初に伝えたほうが良いと思います。

また、世の中の流れとして日本でもヴィーガンが広く認知されるようになり、ヴィーガンであることで、仕事上辛いと感じることは数年前と比較すると少なくなっているかと思います。

しかし同時に、相手に気をつかわせないことも重要だと思っています。特に食事については、ヴィーガンでない方がお店を選ぶ場合、ヴィーガンの方は何が食べられて、何が食べられないかはわからないと思いますので、ある程度お店の候補は自分で出して、その中から選んでもらったりするようにしています。

イタリアンなどのお店などであれば、私自身はトマトソースのパスタをオーダーすることが多いです。チーズなど動物性の食材を抜いて調理してもらえばヴィーガンになるものが多いんですよね。

みんなで一緒に食事をしている中で、自然とヴィーガンでも一緒に食事が楽しめるメニューがあるということを遠回しにアピールしたりしています。食事している中で、ヴィーガンの代替品の話などで興味をもっていただくことも意外と多いですよ!

仕事の関係者にヴィーガンであることで影響を与えたことは?

私は仕事柄インフルエンサーと関わることが多く、また彼らも私のSNSをフォローしてくれているので、私が日常的に投稿している内容を見てヴィーガンに興味を持ってくれるインフルエンサーがたまにいます。すでに何十万人、何百万人とフォロワーを抱えて影響力のある人達が、私との会食や私の発信するSNSの投稿を通して、ヴィーガンに興味を持ち始めましたと連絡をくれたり、短期間でもヴィーガン生活に挑戦してみようと思いますと連絡をくれることがあり、これは本当に嬉しいです。

当たり前ですが、ヴィーガンにすでに興味があるフォロワーを抱えているインフルエンサーがヴィーガンについて発信するより、幅広い消費者のロールモデルとなるインフルエンサーがヴィーガンについて興味を持って発信をする方が、アーリーマジョリティに影響を与え、ポテンシャルヴィーガンを増やすことができますしね。

これまでに利用したレストラン・カフェでおすすめのお店は?

1.RUBIA

https://rubia.co.jp/

お洒落なモダンメキシカンカフェ デート、お祝い、ヴィーガン仲間とカフェ活などに

2.SAVOY 西麻布店

http://www.savoy.vc/4_azabu/azabu1_top.html

ふわふわもちもちのピッツァマリナーラ、カポナータなどがおすすめです。乳製品が使われているメニューもあるので、オーダー時にヴィーガンでも食べられるか確認してください。

3.いまここ

https://www.imakoko-sinsen.com/

会食にも使える、日本料理を提供してくれるお店。プライベート空間でゆっくりしたい方におすすめです。

チヒロさんが常備しているヴィーガンアイテム、これがないと困るといったアイテムは?

旅行が好きなので、旅先で困らないように「昆布だし麺つゆ」「昆布だし」は欠かせないです。

欠かせない「昆布だし麺つゆ」「昆布だし」

特に地方では、ヴィーガン専門店が東京のように多くはないので、蕎麦・天ぷらなどを食べる機会が必然的に増えてきます。その際に「昆布だし麺つゆ」「昆布だし」を持っていると便利だと気づいてから常備するようになりました。

旅先での食事

また、普段からヴィーガンマークがついてなくてもそれぞれの製品が何でできていてヴィーガンでも食べられるかチェックするようにしています。事前に把握しておくことで、旅先などでも食事に困らなくなりました。

ヴィーガンライフを実践してみようと思っている方に伝えていきたいこと。

「ヴィーガン=大変ではない」ということを私は伝えていきたいです。
料理のレシピにしても、当然動物性のものと比べると圧倒的に検索で出てくる数は少ないです。でもそこで美味しそうなレシピが見つからない、難しそうだと諦めないでほしいです。まずは普段通り作りたい食事のレシピを検索し、その材料の中から動物性のものを植物性のものに置き換えしてみてください。私自身、視野を狭くしないためにも普段から非ヴィーガンのレシピをチェックし、その中からマジョリティーに人気のレシピを参考に、代替品を使用し料理しています。

おうちご飯:ヴィーガン焼売

おうちご飯:ヴィーガン牛丼

ヴィーガンというくくりだけでものやレシピ・レストランを探さないようにすることで、ヴィーガンライフのハードルが下がると思っています。 これから、ヴィーガンライフを行ってみようかなと考えている方への「Easy Way」は、ヴィーガンというくくりに縛られなく視野を広げることだと思っています。

https://www.instagram.com/chihiro_kwsk/

写真提供:川崎チヒロ さん

VEGAN’S LIFE編集部

編集部スタッフ

  • Twitter
  • Instagram

学生時代から世界中を旅する中で出会ったヴィーガンライフ。健康のために、ヴィーガン食を取り入れています。 ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター

Article一覧へ戻る