サステイナブルフードスペシャリスト「松浦裕香里」さんに聞く!無理なく始められるヴィーガンライフ

公開日: 2022.7.4

更新日: 2022.8.25

インタビュー

レストラン

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大学卒業後、法律事務所でパラリーガルを経験、体調を崩したことをきっかけに「オーガニック食」文化に興味を持つ。2014年にオーガニック食品メーカー「BROWN SUGAR 1ST.」に入社、ブランドの立ち上げ時からの広報を経験。2018年よりフリーランスとして独立し、サステイナブルフードスペシャリストとして活躍する「松浦裕香里(Yukari Matsuura)」さんに、日常のライフスタイルで簡単に取り入れやすく、無理なく始めるヴィーガンライフについて伺った。

松浦裕香里(Yukari Matsuura)さん

松浦裕香里(Yukari Matsuura)さん自身について

新卒で法律事務所に入りパラリーガルとして3年ほど勤務していました。ハードな毎日を過ごしていたところ、3年ほど働いてパニック障害を発症してしまったんです。病気を機に、自分自身の食生活を見直し、当時まだブームになる前だったココナッツオイルに出合いました。 それから共通の友人の紹介で、荻野(ブラウンシュガー1ST.代表)を紹介してもらい2014年にブラウンシュガーファーストに入社しました。広報として5年ほど立ち上げ期から働き2018年からは、オーガニックやサステナブルな食のスペシャリストとしてフリーランスで活動しています。現在はPRコンサルティング以外にも執筆活動やセミナー登壇など、サステナブルな食にまつわる活動を色々しています。

サステイナブルフードスペシャリストついて

「サステナブル・フードスペシャリスト」というのは資格名でも何でもなく、私個人の肩書きです。 ブラウンシュガーファーストで働き出した頃は、まだ「サステナブル」という概念や言葉があまり知られていない時代でした。同社で働いていた頃から、独立するときはもちろん、「サステナブル=持続可能性」ってなんだろう?ということを常々考えてきました。同時に、どうやったら世の中の人に知ってもらえるか、ということも。 よく、色んな人から「どんな仕事をしているの?」と聞かれることがあります。 私は、「ただの広報やPRというだけでなく、自分自身が信じている食の文化や価値、ストーリーを世の中にいろんな手段で伝えるという意味でのPRの仕事をしています」と答えたいし、そうありたいと独立当初から思い、活動をしてきました。 ここ最近では自分の活動がPR業だけにとどまらず多岐にわたるため、肩書きやシンプルなPRという言葉では語りきれない、「長年見てきたしサステナブルな食(食品業界)については私に任せてね!」という意味も込めて「サステナブルフードスペシャリスト」として活動をしています。

食に興味をもったきっかけ

母親が料理好きで、様々な料理が並ぶ家庭で育ちました。子供の頃から好き嫌いせずに様々な料理を口にしてきました。社会人になり忙しさから、不規則な食事、口にするものはお腹を満たすだけのもの。自分に向き合う時間は殆どなかったですね。そんな時に体調を崩し、改めて自分の食生活が自分の身体を作っているということを実感することがありました。その頃から、食についてじっくりと向き合い、考えるようになったんです。 添加物、白砂糖、小麦、動物性食品を減らすなど自分の身体に合う方法を見つけ出すまでに数年かかりましたが、その過程で自分に合った食事は季節の野菜、地のもの、極力添加物を使わないもの、人の想いが込められたご飯(人の顔が見える食事)が好きで身体に合っていると気が付いたんです。

Yukariさんがオススメする!プラントベース・ヴィーガンカフェ

【東京・三軒茶屋/駒沢大学】CORI.

クラフトビールとヴィーガン料理が堪能できるお店

photo by Yukari Matsuura

★Point!★ 始めてC O R I.のご飯を食べたときはびっくりしました。見た目も豪快で、食欲そそられるボリュームと彩り。野菜もフレッシュで、程よくジャンクな雰囲気に、圧倒されたのを覚えています。これまで“いかにも”ヴィーガン“な食事が多かったヴィーガン外食業界の空気を、センスの良さでガラッと変えてくれたお店だと思っています。

https://www.cori-vege.com/

【東京・神田】OmeFarmKitchen

Ome Farmが運営する"Ome Farm Kitchen"

photo by Yukari Matsuura

★Point!★ 日本全国にいくつか好きな農園があるのですが、Ome Farmさんの野菜をふんだんに食べられるのが神田にある「Ome Farm Kitchen」です。特に、「ブッダボウル」がお気に入り。野菜がフレッシュなのはもちろん、旬を感じながら食べられるのがうれしいです。野菜の旨みやコク、香り、苦味などを、必要最低限の味付けで繊細に引き出しているのが感じられます。野菜が好きでよかったな〜と思わせてくれるお店です。

https://www.omefarm.jp/

【東京・世田谷代田】 Universal Bakes and Café

100%ヴィーガンオンリーのパンを提供するお店

photo by Yukari Matsuura

★Point!★ 自宅からも近く、よく食べにいきます。自分の好きなパンを選んで、日替わりのスープをセットにするのが定番。まるでミルクやバターを使ったかのような甘味のあるパンや、小麦の香りが味わい深いパン、色々あって選ぶのが楽しくなります。ここで1日をスタートすると、自分にもやさしく1日を過ごせるような穏やかな気持ちになれる気持ちのいいカフェです。

https://universal.theshop.jp/

【東京・恵比寿】Ta-im

ファラフェルプレート、ヴィーガン対応可能でとても美味しい、本場の味。

photo by Yukari Matsuura

★Point!★ ヴィーガン食材の中でも「ファラフェル」がとても好きです。日本でも色々なファラフェルを食べてみましたが、私は恵比寿にある「Ta-im」のファラフェルプレートが好きです。濃厚なフムスと一緒に食べるファラフェルはスパイスの香りが美しく、何度食べても飽きません。お店の雰囲気もまるで一瞬で中東にトリップしたような気分にさせてくれる、そんな素敵なお店です。

https://www.ta-imebisu.com/

ヴィーガンカフェ・レストランを探すときのポイントについて

食に感度が高い方で、自分にとって何が心地いい食事なのか、「ヴィーガン」というジャンルだけに囚われた店選びをしない方の声を参考にすることがほとんどなので、ほぼグルメサイトは見ないですね。お店を探す時は、クチコミや雑誌をみたり街歩きをして見つけることがほとんどです。その後にInstagramでお店の表情をチェックし、どんな人がお店を運営していて、どんな人が集まっているのか?メニュー内容以上にも大切だと思う基準を自分の中で決めています。そういった形で収集したお店の情報は、携帯のメモ帳やMYマップ機能で管理しています。

携帯のメモ帳・MYマップ機能を使ってお店の管理をしてます。

日常の生活で大切にしていることについて

まず、食のPR・コンサルティングのお仕事については、サステナブルという言葉を多く耳にする機会が増えたからこそ、「どんなメッセージをどのように商品をとおして発信すること、発信することにどんな意味があるのか?」を考えることを大事にしています。それは自分自身も、クライアント様にも大事にして欲しいことだと思っているので、常に意識しています。 消費者の方に伝わり、手に取ってもらうことができ、その先のライフスタイルに定着する(欠かせないものとなる)までがサステナブルの一つの形なのかな、と思います。だからこそ、世の中のニーズやトレンド、社会が抱える問題などに対して、普段から世の中の動きには敏感でいること。そして常に商品の魅力を探し、自身でも料理をしながら新しいレシピなどの開発に挑戦したりもしています。
私に聞いてよかった!と思っていただき信頼できる人間として、お店や商品の調査も欠かせません。カジュアルなものから星付きのようなお店まで、ヴィーガンというジャンルだけにとどまらず、ストーリーや作り手の想いや温度を感じられるお店に足を運び、自身の舌の感覚やセンスも常にアップデートしています。

Yukariさんの食生活について

長年意識しているのは添加物と白砂糖を摂らないということ。外食に関しては全てをコントロールするのは難しいですが、極力控えています。最近は、小麦もなるべく控えるようにしています。もともとパンが大好きなのですが、30歳を超えてから冷えや小麦を食べた後の血糖値の上昇スピードなども気になるようになり、コントロールしています。パンを食べ続けるためにも、そのほかの小麦製品は控えるといったスタイルです。自宅ではパスタなど麺類はグルテフリーを選ぶようにして、外食でも控えています。とはいえ、どうしても食べたいときは我慢をせずに食べる。食においては、我慢が1番のストレスだと思うので、そういったときは自分の体の声に耳を傾けるようにしています。 週に1度はミートフリーDAYを作り、ヴィーガンな食生活をチョイスしています。野菜が本当に大好きで、お気に入りの「青山ファーマーズマーケット」で野菜を調達し、野菜が主役の食事をとることも日頃から意識しています。

photo by instagram (@yukari_matsuura_)

photo by instagram (@yukari_matsuura_)

ちなみにファーマーズがなぜ好きなのかなのかと言うと、どういう環境でどんな人が作った作物なのか?というのが、スーパーで購入するよりもよりクリアでストーリーが見えてくるところ。人のエネルギーと作物のパワーをたくさん感じられます。そこが好きなんです。

http://farmersmarkets.jp/

無理なく始めるヴィーガンライフのヒントとYukariさんがおすすめするヴィーガンレシピ 

まずは自分で料理を作るときだけは菜食にしてみる、あるいは週に1度だけとか、お昼だけなどでも。いきなり全てのルールを作るのではなく、気軽に初めてみるのがおすすめです。続けることに意味があるのはもちろん、我慢をすることでストレスを感じるのであれば、それは自分自身にとって持続可能なものではなくなってしまいます。自分の体の声を大切に、心地いいポイントを見つけてトライしてみましょう。その時には、ぜひ添加物を意識し、生産者の顔が見える素材を使ってみてくださいね。

豆乳ヴィーガンヌードル

最近お気に入りの、豆乳ヴィーガンヌードルです。豆乳にお味噌を溶かして、麺に注ぐだけ。トッピングは香りが食欲をそそる香味野菜、厚焼きには焼き目をつけて食べ応えも出します。麺はグルテンフリーのエンドウ豆麺。ぱぱっと手軽にできて、食べ応えも抜群、食べ終わってから体が軽いのも好きなポイントです。ヘンプシードなどを乗せてもうワンランク栄養素をプラスするのもおすすめです。

https://yukarimatsuura-yum.themedia.jp/

photo:Yukari Matsuura

VEGAN’S LIFE編集部

編集部スタッフ

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学生時代から世界中を旅する中で出会ったヴィーガンライフ。健康のために、ヴィーガン食を取り入れています。 ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター

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