四季の塩で楽しむヴィーガンライフ!ミネラルが豊富な塩の選び方とは。

公開日: 2022.12.7

更新日: 2022.12.8

インタビュー

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ヴィーガンライフには欠かせない多様なミネラルを含む塩。しかし現代の塩は工場生産で「精製塩」と呼ばれ塩化ナトリウムが99.87%を占め、ほかのミネラルの割合が極端に少なくなっているものが多く流通しています。

塩の可能性を知れば知るほど、たかが塩、されど塩といったようにヴィーガンライフを送る方の生活を豊かにしてくれる食材に違いない思い、山口県の塩の匠が生み出した「za you zen四季の塩」の企画担当「佐藤香波」氏「岸本真理奈」氏に、ヴィーガンライフにおすすめの塩の選び方と四季の塩を使ったヴィーガンレシピについて伺った。

左:「岸本真理奈」氏 右:「佐藤香波」氏 

ミネラルが豊富な塩ってどんな塩のことですか。

太古の昔、原始の生命は海から誕生し、約33億年という長い間、生物は海の中にしか存在しませんでした。
生物が現在の私たちのように地上へ上陸したのは、約5億年前。体内に海と同じ体液を作り、ようやく上陸することができました。
しかし、上陸したことにより、日々失われていくミネラルを、何らかの方法で補給しなければなりません。
そこで昔の人は海水を煮詰めて海と同じミネラルバランスの塩を作り、体に取り入れることで、体液(海)のバランスを維持できるようになりました。これが製塩の始まりです。

塩を構成する主なミネラルは、「ナトリウム」「マグネシウム」「カルシウム」「カリウム」で、その他、海水に含まれる約85種類の微量ミネラルが存在します。そして、塩の作り方は昔ながらの製法と工業化されている2つの方法があります。

昔ながらの製法で作る塩は、海、湖、岩などから採掘され、太陽光にさらすなどして水分を飛ばしその後、ゴミなどの不純物を取り除いて製品となります。このような塩は天然塩と呼ばれ、採掘方法や製法によって割合は変わりますが、精製塩と比べて比較的ミネラルが豊富なのが特徴です。

深い話をすると、岩塩はナトリウムの層から多くとるため9割がナトリウム、海塩は製法にもよりますが今回ご紹介する四季の塩は8割がナトリウムなど差があります。

一方で、工業化されている塩は、精製塩を呼ばれ99.87%が塩化ナトリウムです。わかりやすくまとめると以下のようになります。
 
塩:主成分がナトリウムで、ミネラルも含まれる物質
塩化ナトリウム:塩素とナトリウムとが結合してできた化学物質

ミネラル豊富な塩(四季の塩)はどのように作られているのですか。


簡単に言うと、海水をくみ取る時期によって、味が変わる塩です。
四季折々の豊かな森の恵みが流れ込む山口県油谷湾の汽水域*で作られています。

山口県油谷湾の汽水域

身体に必要なミネラルが豊富に含まれた精製塩ではなく、本物の塩を作るには環境が大切です。
15年以上塩づくりをする塩の匠、井上雄然(いのうえ ゆうぜん)さんによって作られ、太古の海のミネラルバランスに近づけることを目指し、太陽の熱と風で海水を濃縮させる立体式塩田でゆっくり海水を濃縮させることでミネラルを残し、5日以上かける炊き上げと寝かせの段階でにがりを絶妙に調整しています。最後にミネラル成分をまんべんなく混ぜ合わせる天地返しという工程で、人が本来補うべき成分に近づけています。


* 汽水域:河川と海流がまじりあう水域のこと。
季節ごとに味が異なる塩は、余すことなく使った自然の力と熟練した職人の技で完成します。


今回、こちらの記事を読んでいただいた方にぜひ知っていただきたいのは、塩は味付けのために使うものではなく人間の身体を整えてくれるものでもあるということです。
海から生まれた人間にとって塩に含まれる「ミネラル」は本来身体に欠かせないものです。
日本中の塩づくりに最適な場所を探し、日本全国に実際に足を運んで塩の匠が選んだ場所が油谷湾です。
 
油谷湾は、四方を森に囲まれた汽水域であり、周りの森は人の手が入っていない原生林が約80%も残っています。長州藩の時代から魚付林政策として人間の手が入らないように守られてきた場所だからこそ、自然の生態系が残り植林に比べ植物の種類も多く、自然のミネラルを豊富に蓄えています。その森のミネラルが、2つの長い川を伝って、雨とともに流れこみ、湾状の汽水域で海のミネラルと混ざりあいます。そうすることで、季節ごとに含まれるミネラルと味わいが異なる四季の塩が完成します。

季節ごとに味わいが異なる塩(四季の塩)のおすすめの取り入れ方について

旬の素材に旬の塩をかけるだけで旨みたっぷりの1品が完成するペアリング食材です。そのため、「食材+塩」だけで驚くほどシンプルで味わい深い料理が完成します。

四季の塩で作る!オススメのレシピ

<おかずが不要の土釜ご飯>


材料:お米(2合)・塩(小さじ1)・水(400〜450mL)
作り方:
1. 土鍋にお米・塩・水を入れて15分ほど強火で炊く。
2. 湯気がおさまり、香ばしい香りがしたら、火を止めて10分ほど蒸らす。塩を入れて炊くことでお米の旨みが引き立ちます。

<かぶパッチョ>


材料:かぶ(2個)・四季の塩(秋)(小さじ1)・ヴィーガン粉チーズ・胡椒・オリーブオイル(適量)
作り方:
1.   かぶの茎・根・皮をとります。
2.   かぶを薄くスライスします
3.   薄くスライスしたかぶを、ジップロックなどに入れてその中に四季の塩(秋)を小さじ1入れてよく揉みます。その後、15分待ちます。水抜きをすることが目的です。
4.   水抜きしたカブをお皿にならべて、適量のオリーブオイルをかけて、ヴィーガン粉チーズ・胡椒をかけて完成!

<りんご塩のコンポート>


材料:りんご(1つ)、塩(ふたつまみ程度)・(お好みで、シナモン(適量))
作り方:
1. 鍋にりんごと塩を入れて蓋をし、約15分ほど、弱火にかけます。
2. 鍋を時々揺すりながら焦がさないようにします。焦げそうな時は、水50mL程度を入れます。
3. りんごがしんなりしたら完成。お好みでシナモンや追い塩をかけてください。

<食感が愉しい、レンコンステーキ>


材料:レンコン(1⁄2本)、塩(4つまみ)、青のり(適量)、オリーブオイル(適量)
作り方:
1.厚さ1cmほどにレンコンを切ります。レンコンひとかけをすりおろしておきます。
2.オリーブオイルをたっぷりと鍋に引き、切ったレンコンを強火で焼き、塩をふたつまみふります。
3.焦げ目がついたらひっくり返して、塩をふたつまみ、こしょうを多めにかけます。
4.③を両面行ったら、最後に青のりと、すりおろしたレンコンを添えると食感の変化を愉しめます。

<豆腐で作る塩トリュフチョコ>


材料:絹ごし豆腐(75g)・ヴィーガンチョコレート(150g)・塩(ひとつまみ)・お好みでココア、きなこ、抹茶
作り方:
1. チョコレートを湯煎します。
2. 絹ごし豆腐の水気をキッチンペーパーでとり、泡だて器で滑らかになるまで混ぜます。
3. チョコレートが溶けたら一度かき混ぜ、豆腐と塩ひとつまみを混ぜ合わせ、ラップをして30分寝かせます。
4. 一口大に丸め、ココア、きなこ、抹茶などお好みの味付けをして完成。

商品を通して実現していきたい未来について教えてください。

食卓は、一番小さな「社会・コミュニティ」であると思っています。その毎日の食卓が、より愉しく、より美味しく、より身体によく、より作り手の負担が軽くなることで、人々の毎日がシンプルな中にも豊かさを感じるものになるお手伝いができますと幸いです。

また、都会に住んでいる方でも、四季の塩を通して食卓で季節を感じていただくと同時に、塩ができる背景、海と森の繋がりをより身近に感じてもらうことで、日本の自然を未来へと繋げていくことの大切さがより多くの方の意識に根付いていくことを願っています。

https://www.coyori.com/Form/Product/ProductList.aspx?cat=110&pno=1

VEGAN’S LIFE編集部

編集部スタッフ

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学生時代から世界中を旅する中で出会ったヴィーガンライフ。健康のために、ヴィーガン食を取り入れています。 ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター

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