敏感肌だった私を変えた、一輪の白タンポポ。韓国ヴィーガンスキンケア「Talitha Koum」

公開日: 2026.8.4

インタビュー

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肌が変われば、人生も少し変わる。
そんな経験をしたことがある人は、きっと少なくないでしょう。
韓国発ヴィーガンスキンケアブランド「Talitha Koum(タリダクム)」は、一人の女性が長年抱えてきた敏感肌の悩みから生まれました。
14歳の頃から肌トラブルに悩み続け、妊娠をきっかけにさらに肌が揺らぐようになった創業者チェ・ムンソン氏。そんな彼女を支えたのが、母から勧められた「白タンポポ」でした。

Talitha Koum(タリダクム) 創業者チェ・ムンソン氏


韓国では古くから親しまれてきた植物でありながら、美容成分としてはまだ広く知られていない白タンポポ。その可能性を信じ、研究を重ね、ブランドとして形にしたのがTalitha Koumです。

「華やかなマーケティングよりも、研究を。」

その言葉の背景には、一人の母として、そして一人の生活者として積み重ねてきた時間がありました。
今回、ブランド誕生の物語を伺いました。

14歳から続いた、敏感肌との付き合い

「私は14歳の頃から敏感肌に悩んでいました。」

チェ代表は、穏やかな口調でそう振り返ります。
季節の変わり目になると肌が揺らぎ、新しいスキンケアを試しては刺激を感じる。その繰り返しでした。

「自分に本当に合う化粧品とは何だろう。」

そんな問いを抱えながら過ごしてきた時間は、決して短くありません。そして人生の大きな転機となったのが、第一子の妊娠でした。
ホルモンバランスが変化し、それまで以上に敏感になっていく肌。

思うように使える化粧品が減り、
「この先もずっと、この肌と付き合っていくのだろうか」と、不安を感じる日々が続いたといいます。
そんな娘を見ていた母が勧めてくれたのが、「白タンポポ」でした。

韓国では古くから親しまれてきた植物であり、朝鮮王朝時代に編纂された医学書『東医宝鑑』にも記されている存在です。幼い頃から身近にあった植物でしたが、その価値を改めて知ったのは、このときが初めてだったといいます。

もちろん、その瞬間にブランドを立ち上げようと決めたわけではありません。
白タンポポについて学び、自らの肌と向き合い、さらに三人の子どもを育てるなかで、「肌に本当に必要なものとは何か」を考え続けた時間がありました。

その答えは、とてもシンプルなものでした。

「肌は、本来健やかであろうとする力を持っている。」

だからこそ必要なのは、流行の成分を次々と与えることではなく、その力を毎日のスキンケアで支えてあげることではないか。その考え方が、後にTalitha Koumというブランドの土台になっていきます。

「幼い者よ、立ち上がれ。」というブランド名に込めた想い

ブランド名の「Talitha Koum」は、ヘブライ語で「幼い者よ、立ち上がれ。」という意味を持つ言葉です。


印象的な名前ですが、その由来は決してインパクトを狙ったものではありません。
チェ代表が込めたのは、「肌本来の健やかな力を呼び覚ましたい」という願いでした。

年齢や性別に関係なく、誰の肌も揺らぐことがあります。
乾燥や季節の変化、ストレス、生活環境──肌を取り巻く環境は日々変化しています。
だからこそ、一時的な変化だけを追い求めるのではなく、毎日安心して使い続けられるスキンケアで、肌を健やかな状態へ導きたい。その思想はブランド名だけではなく、製品づくりにも一貫して流れています。

「私たちが目指しているのは、肌を一時的に変えることではありません。肌が本来持つ健やかさを支えることです。」その言葉からは、創業者自身が長年敏感肌と向き合ってきたからこその実感が伝わってきました。

流行よりも、一つの植物を信じる

韓国コスメと聞くと、多くの人が「新しい美容成分」や「最先端のトレンド」を思い浮かべるかもしれません。実際、韓国では毎年のように新しい成分や技術が登場し、美容市場を賑わせています。

しかしTalitha Koumが選んだ道は、それとは少し異なります。ブランドが長年向き合ってきたのは、世界的にはまだ広く知られていない「白タンポポ」という植物でした。

「話題になっているから使うのではなく、自分たちが長年研究し、その可能性を信じてきた原料を届けたい。」その姿勢は、ブランドを象徴する考え方でもあります。

「マーケティングより研究を。」

チェ代表のお話を伺っていて、何度も印象に残った言葉があります。

それは、「華やかなマーケティングよりも、研究と開発に時間をかけたい」という考え方です。美容業界では、新しい成分やトレンドが次々と生まれ、短いサイクルで商品が発売されることも珍しくありません。

しかしTalitha Koumでは、その流れに無理に合わせようとは考えていないといいます。
本当に納得できる原料なのか。
肌にとって意味のある処方なのか。
長く使い続けられる品質なのか。
一つひとつを検証し、時間をかけて確かめる。その積み重ねを何よりも大切にしています。

だからこそ、ブランドの象徴となる原料も、流行の美容成分ではありません。
長年研究を続けてきた「白タンポポ」です。

「PDRNやレチノールのように、すでに広く知られている成分ではありません。それでも私たちが白タンポポにこだわるのは、その可能性を信じ、長い時間をかけて研究してきたからです。」

チェ代表はそう語ります。
市場で話題になっているから採用するのではない。
自分たちが心から価値を信じられる原料だから届ける。
その姿勢に、Talitha Koumらしさが凝縮されているように感じました。

ヴィーガンは、「誰かを排除するため」のものではない

Talitha Koumは、ヴィーガンスキンケアブランドです。しかし、お話を伺うなかで印象的だったのは、「ヴィーガンだから選んでほしい」という語り方ではありませんでした。

動物由来原料を使わないこと。
動物実験を行わないこと。
環境への負荷をできる限り減らすこと。

そのすべては、「人の肌」と「地球環境」の両方を大切にしたいという考え方の延長線上にあります。

肌が健やかであること。
自然が健やかであること。

そのどちらか一方だけではなく、両方があってこそ、美しさは続いていく。そんな価値観が、ブランド全体を貫いていました。

「健やかな肌」は、一日ではつくられない

インタビューを通して何度も感じたのは、Talitha Koumが目指しているのは、「劇的な変化」を約束するブランドではないということです。

一晩で肌を変える。数日で別人のような肌になる。
そんな言葉ではなく、「毎日続けることで、肌本来の健やかさを支える」という考え方を大切にしています。それは、14歳から敏感肌に悩み続けてきた創業者自身が、誰よりも「近道はない」と知っているからなのかもしれません。

遠回りに見えても、自分の肌と向き合い続けること。
原料と誠実に向き合うこと。
研究を積み重ねること。

その積み重ねが、ブランドの信頼につながっていく。Talitha Koumというブランドには、そんな静かな強さがありました。

編集後記

韓国コスメと聞くと、多くの人は「新しい成分」や「最新トレンド」を思い浮かべるかもしれません。

けれど、Talitha Koumで出会ったのは、それとは少し違う景色でした。ブランドの始まりは、市場調査でも、流行でもありません。14歳から敏感肌に悩み続けた一人の女性が、母から勧められた白タンポポと出会い、自分自身の肌と向き合い続けた時間でした。

「肌本来の健やかさを支えたい。」

その想いは、ブランド名にも、原料選びにも、研究開発にも、一貫して息づいています。華やかさを競うのではなく、積み重ねた研究で信頼を築く。そんな姿勢は、日々たくさんの情報や商品に触れる今だからこそ、かえって新鮮に映りました。

肌は、一日で変わるものではありません。だからこそ、自分の肌と丁寧に向き合い、毎日の積み重ねを大切にする。Talitha Koumは、そんなスキンケアの本質を、改めて思い出させてくれるブランドなのかもしれません。

次回は、ブランドを象徴する原料「白タンポポ」と、世界初※となる白タンポポ胎座培養エキスの研究、そして商品開発の裏側について詳しくご紹介します。

※自社調べ(2026年7月時点)

服部めぐみ

VEGAN’S LIFE編集長

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ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター。美容・食・サステナブル領域を専門とするエディター。生産者やブランドの哲学を伝える取材・編集を行う。「未来に残したい価値を、読者の心に残るコンテンツへ。」をテーマに、プラントベースを軸とした新しいライフスタイルを発信している。

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