カリフォルニア発プラントベースアイス「eclipseco(エクリプスコ)」が人気の理由

公開日: 2024.9.11

インタビュー

share

カリフォルニア発のプラントベースアイス「eclipseco(エクリプスコ)」が日本上陸し、話題となっている。100%植物由来なのに濃厚なアイスクリームはどのように作られ、これからどのような未来を実現したいかをエクリプス・フーズ・ジャパン株式会社 代表取締役 御宮知 氏に伺った。

エクリプス・フーズ・ジャパン株式会社 代表取締役 御宮知氏

eclipseco(エクリプスコ)誕生のきっかけについて教えてください。


eclipsecoを生み出したエクリプス・フーズは2019年に米国カリフォルニア州で誕生したフードテックのスタートアップです。eclipsecoは代替乳製品を提供することで、サステナブルな食のプラットフォームを構成することをミッションとしています。乳製品を使用したアイスクリームに比べて65%CO2の排出量を減らせると共に、安価で安定した植物由来原料を使用することで、今後増え続ける地球の人口に対して安定した食のサプライを提供することを目指して誕生しました。

プラントベーススイーツに着目した理由と商品化までの道のりについて教えてください。

乳を使わないことで、CO2の排出量を減らせる点や、乳製品よりも安価で安定供給が可能な植物原料を使用することで、サステナブルな食の供給を目指すためにプラントベース商品を開発しております。


植物由来原料を使用しながらも、味はさることながら、乳製品に近いテキスチャー、クリーミーさ、物性等を再現することを目指すことや、また最高においしい味をお届けするために世界中から原材料を調達しています。メイン材料として、ジャガイモ、キャッサバ、トウモロコシを使用し、これらは干ばつにも強く、二酸化炭素(CO2)の排出量も少ないのが特徴です。

また、植物由来の原材料を組み合わせ「牛乳のおいしさの秘密」であるミセルを再現。カゼインミセルは、別名「牛乳のマジック」と呼ばれており、ナノレベルの粒子で牛乳独自のクリーミーな口当たりを生み出します。クリーミーな味、舌触りを再現できるのが私たちの強みでもあります。


日本では、米国でも特に人気の高いフレーバー3種類「eclipseco チョコレート」「eclipseco クッキーバター」「eclipseco マンゴーパッション」を展開しています。

「eclipseco チョコレート」はショコラティエが作る濃厚なチョコレートを、クリーミーなアイスに混ぜ込みコクのあるチョコレート味のとりこになること間違いなしのフレーバーです。「eclipseco クッキーバター」は、クッキーのような味わいでシナモンやジンジャーの香りが口いっぱいに広がります。


フレーバーの開発は、Eclipse Foodsの共同創業者で、数々のミシュラン星付きレストランでのシェフ経験があり、Zagatの30 Under 30にも選ばれ、James Beard Rising Star Chef賞にもノミネートされた、Thomas Bowmanが手掛けています。

また「eclipseco」はプラントベースなので、コレステロールやトランス脂肪酸が含まれません。食への意識が高くグルメな日本人にも満足いただけるアイスに仕上がっています。

アメリカ・カリフォルニア州においてのプラントベーススイーツの浸透性などについて教えてください。

本社のあるアメリカのカリフォルニア州では、およそ3%がプラントベースのアイスに置き換わっています。スーパーにいくと、棚一つ分はプラントベースが占めており、日本よりも提供されている品数が多いのが特徴です。またNON DAIRYという文脈でもシェイクやソフトクリームなどのオプションが豊富で日本よりも植物性のスイーツが浸透していることを実感します。

eclipseco(エクリプスコ)を通して、実現していきたい未来について教えてください。


エクリプス・フーズはeclipsecoを通して、おいしいサステナブルな未来を実現していきたいと思っています。「大好きなおいしいアイスを買って食べていたら、少しヘルシーで、環境にもやさしく、アレルギーを持っている友達とも一緒に楽しめるアイスだった。」という世界を目指しています。
 
今のプラントベース商品はまだまだ味が劣るイメージがあったり、入手しにくかったり、価格が高かったりと、何かを犠牲にしたりと負担が多い印象があります。しかし、犠牲を払っているうちは、世の中に広く受け入れられることも、継続的に購入していただくことも難しく、一時の取り組みに終始してしまいます。
 
エクリプス・フーズは創業者のミシュランシェフと共に、おいしくてサステナブルなアイスや乳代替品を世の中に送り出すことで、CO2を削減し、世の中にインパクトを与えたいと考えており、今後はアイスにとどまらず、アイスメーカーへの原材料や技術の提供や、カテゴリーを他の乳製品などに拡大していくつもりです。


「eclipseco」は、日本上陸後2024年3月より都内ファミリーマート約100店舗で先行販売し大反響でした。この夏店舗を拡充し、都内ファミリーマート約300店舗で再度発売開始しています。

口にした方からは、言われないと乳製品だと見分けがつかない、乳製品のアイスよりクリーミーで美味しい。などと言った声が集まっているそう。ぜひ皆さんもプラントベースのアイスクリームの進化を体験してみませんか。

関連コンテンツ

Article一覧へ戻る