食べ物から摂取する糖質量をできるだけカットすることで大幅な体重減を目指せる糖質制限。近年、効率良くダイエットできる方法として実践者が多い糖質制限ですが、たんぱく質の摂取量を増やすため、肉や卵といった動物性たんぱく質をたっぷりと摂るのが一般的です。では、ヴィーガンを実践しつつ糖質制限を行うことは可能なのでしょうか。
まずはおさらい。“糖質制限”ってどんなもの?
糖質制限とは、炭水化物が多く含まれる食品を避け、糖質(炭水化物のうち食物繊維を抜いたもの)を極力カットすることを指す言葉。もともとは肥満や糖尿病の改善を目的とした食事療法のひとつです。
糖質は全身の細胞に送られてエネルギーとして使われますが、糖質の摂取量が多すぎた場合、糖質は脂肪となって蓄積されます。脂肪もエネルギーとして使われますが、使われる量以上に蓄積されれば太ってしまう原因になってしまいます。
糖質制限では、糖質を極力カットすることでカラダに脂肪が蓄積されるのを防ぎ、蓄えている脂肪をエネルギーとして使うことで減量を目指すことができると考えられています。ヴィーガンの食生活でも糖質制限は可能?
糖質制限では、糖質(ごはん、パン、麺類など)の代わりにたんぱく質を摂ることでエネルギーを補給します。肉類や卵類、魚類などはたんぱく質が豊富で糖質を含まないことから糖質制限実践中の主食として選ばれやすいのですが、ヴィーガンライフではこれらを食品として摂ることはありません。
では、ヴィーガンの食生活で糖質制限を実践することは可能でしょうか。答えはYES。ただし、正しい知識を味方につけ、栄養が不足しないよう慎重に実践する必要があります。
・ヴィーガンが行う糖質制限のポイントは?
糖質制限では、糖質の代わりにたんぱく質をしっかりと摂る必要があります。ヴィーガンのたんぱく源は主に豆類ですが、豆類は種類によって糖質の含有量に違いがあるため「たんぱく質補給のために豆類をたっぷり摂ったら糖質を摂りすぎてしまった」なんて事態にもなりかねません。低糖質高たんぱくな豆は、ずばり大豆。蒸し大豆100gあたりの糖質はわずか5gと少なく、それでいて肉類に匹敵するレベルの高たんぱくですので、糖質制限を行うヴィーガンは真っ先に“大豆”を選ぶ必要があります。また、野菜は制限なくたっぷりといただけるヴィーガンですが、トマトやカボチャ、じゃがいもなどは糖質が高いため糖質制限としては控えるべき食材。糖質の少ない豆類でたんぱく質を確保しつつ、菜食生活を楽しみながら糖質制限を行うというのは、理論的には十分に可能といえるでしょう。実践するならゆる糖質制限がおすすめ。ヴィーガンの糖質制限まとめ
理論上は可能といえるヴィーガンの糖質制限ですが、その目的がダイエットならばあまりおすすめはできません。ヴィーガンの食生活は十分に気を配って実践しないと栄養失調に陥りやすく、特に糖質制限を理由に玄米をカットしてしまうと、ヴィーガンにとっては希少なビタミンB1が欠乏してしまうので注意が必要です。
また、糖質制限を行う目的がダイエット(減量)の場合、糖質制限にこだわらずとも、動物由来の脂肪を摂らないヴィーガン食で十分に達成可能です。ジャンクなヴィーガン食ばかり食べているのであれば改善の必要がありますが、バランスの良いヴィーガン食の摂取を心がけていれば、過剰に太ってしまうことはまずありません。
どうしてもヴィーガンで糖質制限を実践したい場合は、夕食だけ糖質をカットするなど、ゆるく実践するのがおすすめです。