「旅するvegan居酒屋」って!?ヴィーガンライフをハッピーに過ごす方法

公開日: 2022.3.11

更新日: 2022.8.30

インタビュー

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「VEGANLIFE」では、健康、環境問題に関心があり、毎日は難しいけど「週1ヴィーガン」を行ってみたい。そんな思いがある方に役立つ情報を発信しています。 今回は、環境問題やヴィーガンについて関心があるけど何から始めたら良い?ヴィーガンでない方でも一緒に楽しむ方法を「旅するvegan居酒屋」運営企画する相澤瑞樹さんにお話を伺いました。

相澤瑞樹(Mizuki Aizawa)さん

――相澤さん自身について教えてください。 大学卒業後に大手ハウスメーカーに勤務し、東京・名古屋にてインテリアコーディネーターの仕事をしていました。在職中から環境活動やエコイベント主催を始めましたが、自分の人生の時間の100%を社会課題解決のために使いたくなって、昨年5月に退職しました。 退職後は名古屋にあるヴィーガンカフェ「グレインズ」での勤務を経て、ヴィーガン料理に関するイベント企画運営やレッスン、SNSを通してヴィーガンレシピの情報の発信なども行っています。 ヴィーガン以外にも、日常の「衣・食・住」問わずエシカルな選択を提案するため、「サルベージパーティー」「洋服の交換会」「ダーニングワークショップ」「映画鑑賞会」などのイベントを開催しています。

▶グレインズ勤務中 オーナーに提案して導入が始まった量り売りの大豆ミート。

▶グレインズでまかないを頬張る。どのメニューよりも、スタッフまかないが一番豪華なことで有名です。笑

▶グレインズスタッフと。

▶洋服交換会の様子

▶持て余した食材を持ち寄ってみんなで調理する 「サルベージ・パーティー」 食品ロスの削減に。

――地球環境問題について真剣に向き合うようになったきっかけは。 2019年8月に北九州で起きた豪雨災害のニュースが大きな転機だったと思います。前年に旅行で訪れた、思い出深い土地が水没する映像を見てとてもショックを受け、翌日から会社で支援金を募り始めました。

▶会社で呼びかけた九州豪雨への支援金募集

無事に送金すると、今度は友人の多くが住む千葉県が同じく豪雨で被災。「地球が終わるのか?」と本気で思いました。また支援金を募ろうとしたのですが、ふと「それだけで良いのだろうか?」と感じました。そもそも豪雨の原因が、話題になっている「気候変動」なのであれば、気候変動対策をすることが一番の防災。起きたあと行動するよりも、根本的な解決に対してエネルギーを注ぎたいと思うようになりました。 それまで、健康のために学ぶ中で腑に落ちていた「対処療法ではいつまでも解決しない。ふだんの暮らしの当たり前の選択を見直すことで、根本原因をなるべく作らない」というスタンスとも、リンクした瞬間でした。 健康に良い、に加えて環境にも良いことが日常の選ぶ基準に加わったことで、ヴィーガンな選択をし始めました。 多くのメディアでも発表されていますが、食肉・乳製品産業が年間に排出している温室効果ガスは、世界の温室効果ガス排出量の約14%に相当するとのことですが、最初からお肉や乳製品を完全に食べないではなく、週1回~お肉の食事を減らす、または代替肉で応用するだけでその先の未来につながると思っています。
――ヴィーガンライフをハッピーに過ごす方法とは。 ヴィーガンライフはハッピーに過ごすための「手段」だと自覚すること。そして、自分自身にヴィーガンを強要しないことだと思います。 2019年から今まで、環境活動を通してさまざまなイベントを企画運営してきましたが、いつもメンバーと共有しているのは「目的を手段を履き違えないように」ということです。例えば、「気候変動のことを一人でも多くの人に知ってもらうことが目的であって、その手段の一つとして気候マーチを企画しているけれど、目的のためには別に他の手段でも良い。その中でマーチを選んでいる。」といった具合にです。

▶気候マーチ

それは自分の普段の生活においても同じで、自分の心がハッピーに過ごすことが目的であり、そのためには何が自分にとって「エシカル」かを知り、その結果の一つがヴィーガンである、と意識しています。 ここが逆転すると、自分にヴィーガンを強要してしまい苦しくなる(=ハッピーじゃなくなる)ので、わたしは「ヴィーガン」を意識せず、それよりも「マイ・エシカル」という概念を大切にしています。 結果的に2年ほどヴィーガンなライフスタイルですが、明日はどうするかわからない。絶対に無理はしない。楽しくないならやめる。そんな自分を許可してあげるスタンスが、ハッピーに過ごすコツですね! 私が大切にしている言葉「my ethical ≠ your ethical
――「旅するvegan居酒屋」について教えてください。> ヴィーガン料理を気軽に試して、楽しく仲良く繋がる場として、「旅するvegan居酒屋」を始めました。「旅する」の名の通り、調理するわたし自身がいろんなところへ旅しながら、場所を変えてvegan居酒屋をしています。 会社を辞めるとき、最初に持った夢は「お店を開きたい」ということでした。 提供するサービスは ①ヴィーガンの食事とオーガニックでフェアトレードなコーヒー、②量り売りとエコな日用品と長く使える家具のお買い物、③ワークショップスペース それを古民家でやるという夢でした。「エシカルな衣食住の提案を通して、仲間と繋がる場を提供する」というテーマを実現するための手段としてのお店です。 そのための修行としてグレインズに入りましたが、今は自分自身が一箇所に留まらず、色々なところに旅することで新たな風を感じながら生きてみたいという夢も加わり、「旅するvegan居酒屋」というスタイルを取ってみることにしました。売上の一部は応援したい活動家や団体に寄付することにしています。 今年に入り機会をいただき、大阪にある友人が経営する「社会貢献型バー スパイス酒場SUNSHINE」にて1日店長をさせていただきました。

▶vegan居酒屋 「社会貢献型バー スパイス酒場SUNSHINE」にて

こんな時期ですが、「美味しい!」と笑顔になって、様々な「マイ・エシカル」を持った方が出会い、言葉を交わし、新しい仲間やコミュニティとつながっていく瞬間を目にすると、本当に喜びを感じます。わたし自身がその場になることを、改めて今後も継続していきたいなと思いました。

▶vegan居酒屋メニューの一部 大豆ミートの唐揚げ(ノーマル・油淋鶏風)、大豆ミートのハンバーグ、おからこんにゃくの焼鳥風

グレインズメニューを各地で提供することで、広報活動も担っています。
――これからチャレンジしていきたいことについて教えてください。 社会問題・環境問題に対して関心があり、想いがある人たちの「ハブ」のような存在になっていきたいと思っています。 一人ひとりが、小さな行動でもやってみること、そしてそれを続けることが大切だと思います。そのためには一つでも多くの選択肢と、仲間と繋がることが必要です。 わたしはヴィーガン料理を作ることと、素敵な取り組みや人を紹介するのが好きなので、その点で役にたちながら、ハッピーの連鎖を生んでいきたいなと思っています。 (こんな活動もしています) ▶もったいないを楽しむ刺繍屋「nocotta」 まだ使えるのに捨てられてしまう、もったいない糸をレスキューする刺繍屋です。 ロゴはその時ある7色で縫います。

▶もったいないを楽しむ刺繍屋

nocotta https://www.instagram.com/nocotta_xx/ ――有難うございました。 次は、みずきさんがイベントを開催している「社会貢献型バー スパイス酒場SUNSHINE」のオーナーさんへのインタビューになります。 ▼社会貢献型バー スパイス酒場SUNSHINE▼ https://www.instagram.com/spice.sunshine.osaka/

https://grains.nagoya/

▼みずきさんのInstagram▼ https://www.instagram.com/mizuki.aizawa/ 画像提供:相澤瑞樹さん 文・構成: 服部めぐみ

VEGAN’S LIFE編集部

編集部スタッフ

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学生時代から世界中を旅する中で出会ったヴィーガンライフ。健康のために、ヴィーガン食を取り入れています。 ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター

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