30年以上大豆ミートを研究!かるなぁ余語さんに聞く、代替食品の未来とは。

公開日: 2022.4.11

更新日: 2022.8.30

インタビュー

代替食品

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日本でも大豆ミートの知名度は、右肩上がりと言われています。ベジタリアン、菜食主義者、ヴィーガンなどといった食の主義や健康上の理由などにより食に制約がある方から人気が広がり、現在ではスーパーなどでも手軽に購入できるようになりました。 そんな大豆ミートや代替食品は数年前までは国内において入手するのが難しく、日本でヴィーガンライフを行うにあたってのハードルをあげていました。

今回、30年以上、大豆ミートをはじめとする菜食食材を研究し続け、国内においても気軽に大豆ミートや代替食品を楽しめる時代を作りあげてきた株式会社かるなぁ専務取締役の余語啓一さんに大豆ミートへのこだわりを中心に、これからの代替食品の可能性などをお聞きしました。

株式会社かるなぁ 専務取締役 余語啓一さん

余語啓一さんについて

祖母が素食料理(日本でいうと精進料理)と出会いその素食料理教室で料理を習ったのがきっかけで幼い頃からオリエンタルベジタリアンでした。 しかし、中学から大学生の頃に菜食主義をやめた時期がありました。きっかけは、友人の誕生日パーティーで焼き肉を食べたことです。「世の中に、こんなに美味しいものがあるんだ!」と思い、その時は正直ショックを受けました。 そこから、家でのご飯を嫌い、ジャンクフードやお肉をたくさん食べる生活が続きますが、21歳の頃に微熱が続き、なかなか治らなく調べてみると白血病の疑いがあると診断されました。 そこで、改めてこれまでの食生活を見直し、ベジタリアンの生活に戻りました。しばらくすると、数値もよくなり1年で体調が改善しました。 その後、ベジタリアンの生活を続けるか迷ったのですが、菜食生活の心地よさから現在までオリエンタルベジタリアンの生活を送っています。

株式会社かるなぁについて

素食料理教室を通して、ベジタリアン仲間が増えてきましたが、当時は食材などが気軽に手に入る時代ではなく、業務用の食材・調味料を取り寄せみんなでわけていました。 例えば、冷凍のグルテンを取り寄せ解凍し、グルテンを発酵させ油で揚げる。その後、お湯で油抜きした後に衣をつけて揚げた「とんかつ風・串カツ」「生姜焼き」など。しいたけや昆布を使い、植物性のダシも作っていました。これらが口コミで話題になるのと同時に、食材・調味料などを販売してほしいとの声が大きくなり、商売にせざるを得なくなりました。そして、ベジタリアン仲間と一緒にかるなぁを平成2年に設立しました。
イートインスペースがある店舗10坪のスペースからスタートし、あっという間に口コミで広がり、業務用商品の販売も好調で、業績中心の経営というよりベジタリアンの方々の手助けをしたいという思いや使命感でやってきました。

当時販売していた「かるなぁオリジナル商品」

当時販売していた「かるなぁオリジナル商品」

以来、30年以上にわたり、安全・安心なベジフードの製造と、ベジタリアン・ヴィーガンフードの販売ショップやレストランを経営しています。この30年で食を取り巻く社会状況は大きく変わったと感じています。

国内でヴィーガンという言葉が浸透してきたのはいつ?

ここ数年で、『ヴィーガン』という言葉が普通に使用されるようになりましたが、昔は『ベジタリアン』という言葉が主流でした。時代が進むにつれ、「マクロビオティック」という玄米菜食を中心にした方や、普段はお肉を食べるけれども時々自宅でヴィーガン食を取り入れるといったライトな方の増加など、「エシカル・ヴィーガン」志向の方が多くなってきたように思います。 しかし、店舗オープン当時から現在でも売れ筋商品はほとんど変わりません。大豆ミートやソイハムなどが人気です。特にこの2つは、代替食品として、最近聞くようになったという方も多いのではないでしょうか。 当社で初めて販売したソイハムは、台湾に行った際に素食料理店で見つけ、どこで作られているかを聞くと、なんと日本製品だったことからすぐに製造元に確認を入れ、かるなぁでも販売をスタートしました。
日本では、ネットの普及と共に多く耳にするようになった食の主義の違いについては、世界をみると何千年も前からあり、菜食については約5000年以上前から歴史上有名な聖人、偉人と言われる方々は菜食主義であったと言われています。菜食・生命倫理から食事が変わってくると、意識もかわり、流行りだけ終わらせないエシカルな世の中が実現できると思っており、かるなぁがその一助となればと思っています。

こんなアイテムまで代替食品がうまれています!

寿司ネタ(マグロ・イカ・サーモン)

大豆から作ったはんぺん(ごぼうとにんじん入り)

ちくわ・はんぺん・かまぼこ(練り製品)の代替品は、30年以上前からあります!その他、えび・かにの代替食品を輸入していましたが、当時は早すぎました。

お寿司のネタも!

海鮮の代替品はこちらからご覧いただけます。 https://www.karuna.co.jp/SHOP/205783/205795/list.html

かるなぁの売れ筋商品

ヴィーガンチーズの種類も増えています!

動物性素材不使用のタイカレー

ハンバーグ、肉団子、餃子などが作れる大豆ミート「ミンチタイプ」が大人気!

ヴィーガン初心者にもおすすめ!余語さんお気に入りのレストラン

【中目黒】レインボーバードランデヴー

中目黒のヴィーガン料理のお店。有機栽培や自然栽培の食材を出来る限り使用して、ココロとカラダと地球に優しいメニューです。

https://www.ls-adventure.com/index.html

【高田馬場】En(エン)

photo by official Instagram

旬の野菜をふんだんに、健やかな身体・満たされた心を。 ご自身のために、大切なあの人のために、週に一度でもご家庭で自然に近い食材を使用したお食事を取り入れていただけるきっかけになりたい。という思いでオープンした大切な方と訪れたいお店。

https://capolavoro.tokyo/

【名古屋】安江 瑞穂店

photo by official HP

精進料理も展開されているお蕎麦屋さん。種類も豊富なため、会食などでも利用することもあります。

https://sobayasue.com/about/

―――ありがとうございました。 ▼かるなぁのInstagram▼ https://www.instagram.com/karuna_vegefoods/ ▼かるなぁの公式HP▼ https://www.karuna.co.jp/ 画像提供:余語啓一さん 文・構成:服部めぐみ

VEGAN’S LIFE編集部

編集部スタッフ

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学生時代から世界中を旅する中で出会ったヴィーガンライフ。健康のために、ヴィーガン食を取り入れています。 ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター

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