トリバコーヒーグループが展開する、ヴィーガンカフェ「Whitely」とは。

公開日: 2023.3.13

インタビュー

レストラン

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日本でもライフスタイルに定着した「カフェ文化」。今回は、全国で7ブランド13店舗の飲食店を展開するトリバコーヒーグループの“オールヴィーガンカフェ”『Whitely by Toriba Coffee(ホワイトリー バイ トリバコーヒー)』に、オールヴィーガンカフェ展開の背景とヴィーガンカフェを通して実現していきたい未来について伺った。

photo by official Instagram ( Whitely 1号店/神奈川県・葉山)

Whitely by Toriba(ホワイトリー バイ トリバコーヒー)」について

2021年4月1日、Whitely 1号店を神奈川県・葉山にオープン。海外のビーチサイドで手軽に食べられるメニューをイメージしながら作ってみたら、出来上がったのは動物性を一切使わない、植物性のみで出来たヴィーガン対応のメニューでした。

その翌年、大丸京都店にあるFlags Cafe(同企業運営)を改装し、メニューをオールヴィーガンに変更し、2022年7月7日にWhitely 2号店としてリニューアルオープンしました。

photo by official Instagram ( Whitely 2号店/京都大丸店)

Whitelyは、「ヴィーガンでも、そうでない方でも、誰もが安心して楽しめる食事や空間を届けること」をコンセプトに、動物性を一切使わないで植物性のみで作ったハンバーガーやスイーツを提供しています。
また、アレルギーをお持ちの方にも楽しんでいただけるよう、パスタと焼き菓子は一部グルテンフリーのものも用意しています。
 
1号店は森戸海岸のすぐ隣にあるため、海外のビーチサイドにあるカフェをイメージしてアメリカン風の食事を提供しています。京都店ではハンバーガーに加えて元々この場所にあったFlags Cafe時代から大人気だったパスタメニューを継続し、ヴィーガン仕様でお届けしています。

トリバコーヒーグループ(株式会社バードフェザーノブ)において、ヴィーガンメニュー開発から店舗オープンまで至った経緯(きっかけ)

創業者 鳥羽信博がヴィーガンに関心があり、メニュー開発の担当者に相談。ヴィーガンメニュー開発していただいた経緯があります。

6年ほど前に鳥羽が海外滞在中、突然動物性のものを食べることを止めようと思い、その次に訪れたロサンゼルスでヴィーガン料理を食べてみると全く違和感がなく、それ以来ヴィーガン生活を送っています。当時、日本ではヴィーガン対応してくれるお店が少なかったのと、対応しているお店はマクロビオティックなど、健康的なご飯を中心に運営されているお店がほとんどだったため、ヴィーガンじゃない方にとってハードルが高いと考えていました。

弊社では、ヴィーガンの人とそうでない人が妥協や我慢をせずに美味しいご飯を楽しめる環境の提供をミッションとして掲げ、ヴィーガンを軸に飲食店運営・メニュー及び商品開発に取り組んでいます。
 
また、メニュー開発の担当者としては、動物性のものを使わずに、動物性の食品に近い味と食感を作るということが複雑なゲームをしている感覚です。時々、手間がかかりすぎてしまって大変なこともありますが、反省しながら日々改善していると実感しているため、ただただ楽しんでます。

商品開発の苦労した点(ヴィーガンメニューを作るのは難しいこと?)

ヴィーガンメニューを開発するにあたって、一番苦労したのはバーガーのパテです。特に食べ応えのある食感にするのに時間がかかりました。肉の独特な噛みごたえは、野菜やそのほかのもので再現するのが難しく、今のメニューができるまで色んな食材を使って試行錯誤を何度も繰り返しました。

photo by official Instagram

ヴィーガンカフェとしてこれだけは譲れないマイルールは?

Whitelyとして大事にしていることは大きく分けて2つあります。

①ヴィーガンとエシカルを分かりやすく、そして楽しく伝えること

「ヴィーガン・プラントベースの料理は我慢して食べるものではなく、美味しく楽しめるもの」とお客様に感じてもらえるように仕事をする事。その為には“ヴィーガンってこんな感じ”という固定概念を外すように意識し、常に様々な方向ににアンテナを向け、良いと思った物事をメニューやお客様との会話、イベント等の形でお店に落としこむようにしています。
 
エシカルやサスティナビリティについても、ストローをサトウキビ由来のものと置き換えたり、テイクアウト用の紙袋を回収して再利用したりするなど、飲食店として出来ることを無理のない範囲で実践しています。
エシカル施策を取り入れている上でなによりも大事にしたいのが「心地よさ」です。どれだけ環境によくても、提供する側の私たちやお客さまにとって不便だったり、不快だったりしたら全く意味がありません。
難しく考えすぎず、楽しみながらやるのが継続の鍵だと考えています。それが小さな行動でも、完璧じゃなくても、自分の出来る範囲で継続していけばきっと何かいいことに繋がると私たちは信じています。
 

②考え方の強要をしないこと

ヴィーガンについてもエシカルについても、考え方や取り入れ方は一人一人の自由。私たちはWhitelyとして出来る事をやるだけで、“こうするほうが良い、こうしないといけない”という伝え方はしないようにしています。
私たちが楽しんで実践しているところを見て、“ちょっとやってみても良いかな”と思ってくれる方が少しずつ増えたらそれで良いと思っています。

Whitelyのエシカル宣言 10ヶ条

ヴィーガンカフェを通して実現していきたい未来とは?

Whitelyとして目指している未来は、どんな人でも一緒に食卓を囲める場所であり続けること。そして、そんな場所が世界にどんどん増えて行くこと。(これは、私たちが海外へ行ってそこで店舗を展開する意味ではなく、私たちがやっていることに共感できる方が刺激を受けてWhitelyのミッションや価値観を広めてくれることを意味します。)
 
また、エシカルにおいて私たちもまだ完璧に実践できていない部分がたくさんあるので、お客さまと積極的にコミュニケーションを取りながら日々学んでいきたいです。

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