海外セレブリティのプライベートシェフに聞いた！ニューヨークスタイルのヴィーガンって

NYを拠点に、海外セレブリティのプライベートシェフなどを中心に活動するフードエキスパートの「桜本理恵子（Rieko Sakuramoto）」さんに、ニューヨークスタイルのヴィーガン料理について伺いました。

桜本理恵子さんについて

NYのNatural Gourmet Institute料理学校にて、ヘルシーな料理を学び、NYのレストランでインターンを経て、2015年よりセレブリティのプランベートシェフ、日米でのイベントや料理クラスにて腕を振るっています。NYスタイルのおしゃれでヘルシーな料理は、見た目のカラフルさはもちろんのこと、料理の発想がユニークでヴィーガンライフを選択されている方に沢山の発見があると思いますので、よろしければご紹介するメニューをお試しください。

NYスタイルの簡単ヴィーガンレシピについて

レモンレンティルスープ

【 材料 】4～6名様分
★カップの分量は、すべてアメリカのカップ（1カップ 240ml）
玉ねぎ：１個（あらみじん切り）
レッドレンズ豆：170g
ガーリック：1～2片（みじん切り）
クミンパウダー：小さじ1～2
水、野菜ストック（※）：4カップ
ローリエ：1枚
レモン果汁：1個分（約大さじ2～3）
オリーブオイル：大さじ3
塩、コショウ：少々
イタリアンパセリ：少々（かざりに）

※野菜や香りのよい材料を水で煮込んでできた風味豊かな液体のこと。スープやソースなどさまざまな料理のベースとなり、味を引き立ててくれます。

【 手順 】　
1．レンズマメを流水で洗い、水気を切っておきます。
2．鍋にオリーブオイルガーリックをいれ、弱火にします。ガーリックの香りが出てきたら、玉ねぎをいれ、透き通るまで中火で炒めます。
3．2にクミンパウダー、レンズ豆を入れ炒め、水（もしくは野菜ストック）を入れます。
4． あくを取ながら、レンズマメが柔らかくなるまで弱火～中火で煮ます。
5．塩、コショウ、レモン汁で味を整えて完成です。

ヴィーガン発酵カシューナッツチーズ

【 材料 】
★カップの分量は、すべてアメリカのカップ（1カップ 240ml）
STEP１
ローカシュ―ナッツ：260g（2カップ）
水：100ml~150ml
プロバイオティック：2カプセル（小さじ1/2）

STEP２
米酢：大さじ1/2～１
白みそ：大さじ1/2～１
塩：小さじ1/2～１
精製ココナッツオイル(溶かしておく)：大さじ４

【 手順 】　
STEP１
1．ローカシュ―ナッツを分量外のたっぷりの水に4時間以上浸水させておきます。
2．1の水をしっかり切り、ブレンダーもしくはフードプロセッサーにかけ、少し粒が残っている程度まで撹拌します。
㊟ クリーム状に、決してしないことがポイントです。
3． 2をボウルにあけ、プロバイオティックの粉と混ぜ合わせ、ガーゼもしくはナッツミルクバッグをセットした水切り網に入れ、
そのまま12時間～24時間常温で発酵させます。
4． 好みの酸味に達したら、＜STEP２＞の材料と混ぜ合わせ、お好きな形に整え、冷蔵庫で冷やし固めます。
5．完成です。
 
ワンポイント　
こちらのチーズベースを基本として、お好みで、ハーブやスパイス類を混ぜると味わいの違う様々なチーズが出来上がります。また、ナッツもローカシュ―ナッツだけでなくアーモンド、ブラジリアンナッツなどを混ぜても濃厚な美味しいチーズになります。どのナッツを使用しても作り方は同じです。

グルテンフリー＆ヴィーガンアールグレーのガトーショコラ

【 材料 】
★カップの分量は、すべてアメリカのカップ（1カップ 240ml）
茹でひよこ豆：1缶(15.5oz 439g）
クイックオーツ（※）：80g（約1カップ）※ロールドオーツを細かく砕いたタイプのオートミールのこと
ココア：50g（約1/2カップ）
ベーキングパウダー：小さじ1
塩：小さじ1/8
メープルシロップ：120ml（1/2カップ+α お好みで加減）
ココナッツオイル（他の油でも可）：大さじ4
バニラエクストラクト：小さじ2　
グランマニエ：大さじ1
アールグレーティーバッグ：2袋
水：大さじ４
ドライフルーツ：お好み（オプション）
ナッツ：お好み（オプション）
 
【 手順 】　
1．オーブンを350℉（約175℃）に温めておきます。
2．全ての材料をフードプロセッサーに入れ、しっかりと混ぜ合わせます。
3．2で混ぜ合わせた材料を型に入れ、アルミホイルをかぶせ、350℉(175℃)のオーブンで20分焼きます。
4．その後、アルミホイルをとって約25分焼きます。
5．完成です。

※ オプションのナッツやドライフルーツは、混ぜても、上にのせて焼いても美味しいです。

ヴィーガン初心者におすすめ！日本の素材を使ったヴィーガンレシピについて

NYをベースに活動していると、海外の流行を取り入れていくことも大切だと思いますが、料理をすればするほど日本食・日本文化の良さがわかってきます。2018年頃から日本においても一般的な情報誌やメディアなどでもヴィーガンという言葉を少しずつ耳にする機会が増えてきたと思いますが、SDGSの観点からもより加速し身近なスーパーなどでもヴィーガン料理に使用できる「植物性のミルク・チーズ・代替肉などの加工品」などが手に入るようになったと聞いています。しかし、もっと日本の食材に目を向けてほしいと思っています。

アメリカでは、ヴィーガン対応の食事を作る際に味噌・大豆・豆腐など、日本古来の食材を沢山使用します。加工食品に頼らなくても、植物性のたんぱく源があります。アメリカでは、次々と新しいヴィーガン製品が登場していますが、新しいものを流行にあわせてお洒落に作るのが得意なアメリカ文化に対して、美味しさやクオリティを上げるために旨味やコクの出し方を研究し、改良を続け「美味しいヴィーガン料理を提供できるのはやはり日本の食事」だと思っています。

今回、ヴィーガン初心者におすすめの日本で手に入る食材で作る簡単なヴィーガンレシピを紹介しますのでお試しください。

豆腐の チョコレート ムース

【 材料 】6名様分
★カップの分量は、すべてアメリカのカップ（1カップ 240ml）
豆腐（森乳パック入り）：250g
ダークチョコレート（85％）：100g
メープルシロップ：大さじ1～２
オレンジの皮：小さじ１(オプション)
グランマニエ：大さじ１（バニラエクストラクトでも可）
お好みのベリー　

【 手順 】
1．ダークチョコレートは湯銭にかけ溶かしておきます。
2．ブレンダー、もしくはフードプロセッサーに豆腐をいれ、なめらかになるまで撹拌し、そこに1で溶かしたチョコレートを入れ、しっかりと攪拌します。
3．お好みでメープルシロップを大さじ1～２と、グランマニエを加え、さらによく攪拌します。
4． 最後にオレンジの皮を混ぜ、器に盛りつけ、2時間以上冷やし固めます。
5．完成です。

【ポイント】
オレンジの皮は一緒にフードプロセッサーで撹拌すると苦みが出やすいため、 ムースが出来上がってから混ぜると香りがたち、苦みを減らすことができます。

同じ材用で、チョコレートケーキやチョコレートトリュフも作ることができます。ケーキのクリームとして使用する場合は、豆腐340g（1パック）とチョコレート100gがおすすめです。トリュフを作る場合は、豆腐150g、チョコレート100gの使用がおすすめです。

ヴィーガンチーズフォンデュ

【 材料 】
★カップの分量は、すべてアメリカのカップ（1カップ 240ml）
豆乳（ナッツミルク）：400ml
菜種油：大さじ４（60ml）
白ワイン（なるべく辛口）：大さじ3
タピオカ粉：大さじ４
ニュートリショナルイースト：大さじ２
アップルサイダービネガー（酢やレモン汁でも可）：大さじ1
塩：小さじ1
オニオンパウダー：小さじ1/2
ガーリックパウダー：小さじ1/2
コショウ：少々

【 手順 】　
1．鍋にすべての材料を入れ、しっかり混ぜてから中火にかけます。
2． 混ぜながらしっかりと油が乳化させ、全体がトロッと、ぷつぷつと泡が立つまでしっかりと火を入れます。
（焦げやすいので注意！ 常にかき混ぜてください。）
3．味見をしお好みに合わせ、塩コショウやスパイス、酸味、ワインなどを加えます。
4．完成です。お好きなお野菜やバゲットでお楽しみください。

【ポイント】　
・ニュートリショナルイーストがない場合は、西京みそや酒かすで代替可能です。その際は、大さじ1くらいから入れ味を見ながら足していってください。
・トルティーヤチップスにかければ ナチョスとしてもお楽しみいただけます。

期待する日本におけるヴィーガンの未来について

イタリアン料理を楽しむように、「今日はヴィーガン料理にしよう！食べにいかない？」と気軽な感じで、食事のレパートリーの一つにヴィーガンが当たり前にある時代が来るといいですね。ヴィーガンライフは、今後の地球環境を考える上で、欠かすことのできない一つのトピック（もしくは課題）だと考えています。完全ヴィーガンでなくても、小さなことから一人ひとりができることを始めることによって、未来の姿は変わるのではないかと思っています。