【エシカル観光の新しいかたち】Airbnbが仕掛ける「Akiya Design Project」とは?
公開日: 2025.6.5
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空き家問題が深刻化する日本において、新たな地域活性のモデルとして注目を集めているのが、Airbnbが発表した「Akiya Design Project(空き家デザインプロジェクト)」です。モデル・女優として活躍する水原希子さんと、ライフスタイルクリエイターのローラさんがそれぞれ古民家をリノベーションし、エシカル観光とサステナブル宿泊を提案しています。
空き家再生 × サステナブル宿泊で地域と共生
日本では約900万戸※の空き家が存在し、今後さらに増加すると予測されています。「Akiya Design Project」は、単なる空き家の再利用ではなく、伝統建築の価値を見直し、地域文化と持続可能な観光を融合させた新たな試みです。
リノベーションの対象となるのは、茨城県古河市と京都府亀岡市の2軒の古民家。いずれも地域の歴史とつながる建物で、それぞれの地に根ざしたライフスタイルを体験できる宿泊施設として生まれ変わります。
水原希子氏とローラ氏が手がける「エシカル宿泊体験」
このプロジェクトのユニークな点は、クリエイティブ監修を務めるのが著名な二人の女性であること。
水原希子さんは、茨城・古河にある山中美登樹さんが運営する古民家とパートナーを組む。約10ヘクタールにも及ぶ広大な敷地に立つ築150年以上の伝統的古民家は、趣ある母屋と堂々たる門構え、敷地を彩る桜や四季折々の草花が、日本の原風景へと誘います。現代の住宅では取り入れることが難しくなってしまった質の高い建材が使われ、構造的にも強く美しいこの家を見た時、山中氏は一目惚れしたそうです。古民家としてだけではなく、「地域の資産」として若い世代に受け継ぐべきと考えている。
ローラさんさんがパートナーを組むのは、京都府亀岡市の村田麻実さん。もともと村田さんの祖父母が大切に住む家屋。明治から平成にかけて四世代、130年に渡った瓦業を営む仕事場として使われていた、築70年の建物です。彼女の祖父母と、この家への深い愛情から、瓦業の歴史を直近に感じる当時の姿をできる限りそのまま残しながら大切に手入れをされています。日本家屋らしい伝統的な佇まいや、美しく広がる田園の雄大な眺めが見どころです。
ローラさんは、「自然と調和する持続可能な暮らし」をテーマとした空間をプロデュースします。
内装やインテリアにもリサイクル素材やローカル資材を活用するなど、環境負荷を抑えたサステナブルデザインが随所に施されています。
エシカル観光を通じて「分散型観光」へとシフト
この取り組みは、大都市への観光集中を避ける「分散型観光」の実現にも貢献。都市部では得られない地域の魅力や、人と人とのつながりを重視する旅のスタイルは、まさに今求められる“エシカル宿泊体験”そのものです。
宿泊者は、現地の食文化や工芸、自然とのふれあいを通じて、その地域にしかない「本物の暮らし」を感じることができます。
まとめ:エシカルな未来をつくる旅の選択
Airbnbの「Akiya Design Project」は、空き家再生、文化継承、サステナブルな暮らしを軸とした、これからの観光の在り方を提示しています。エシカル観光やエシカル宿泊体験を通じて、自分自身の価値観も問い直すような、深いつながりのある旅へと出かけてみませんか?
どちらも、2025年秋に予約が可能になる予定です。
Airbnbについて
Airbnbは、2人のホストがサンフランシスコの自宅に3人のゲストを迎えた2007年に誕生しました。それ以来、ホスト数は500万人を超え、世界のほぼすべての国と地域で、20億回以上ゲストをお迎えしてきました。訪れるゲストが街や人とのつながりを肌で感じながら世界を旅できるよう、ホストはユニークな宿泊先やほかではできない体験を日々提供しています。
※総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果」に基づく
https://www.airbnb.jp/