【下田バイヤーが解説】 2026世界のプラントベース最前線

公開日: 2026.5.7

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Cosme Kitchen、Biopleバイヤーの下田氏が見た、2026年のプラントベース最新トレンドは?2026年3月にロサンゼルス・アナハイムで開催された米国最大規模のナチュラル製品の展示会「ナチュラルプロダクツエキスポ」でのレポートをお届けします。

「Biople」と「Cosme Kitchen」のバイヤーを務める下田裕華さん

2026年3月に訪れたロサンゼルス、アナハイムにて開催された「ナチュラルプロダクツエキスポ」。世界中からナチュラル製品に関心が高い人々が集う、オーガニック業界では有名な展示会。


編集部:2026年3月にロサンゼルス・アナハイムで開催された米国最大規模のウェルネスやナチュラル製品の展示会「ナチュラルプロダクツエキスポ」について、まず印象を教えてください。
下田さん:今年で45回目の開催、3,000社・団体がブースを構え、世界65カ国・地域から参加者6万人以上が集まり、活気にあふれていました。一番感じたのは、「プラントベースはもう代替ではない」ということです。見た目も味も含めて、“選ばれる理由”がしっかり揃っていました。

「茶色い健康食」から「カラフルでおいしそう」へ

合成着色料に頼らずプラントベースでここまでの着色ができるようになっています。なんて美味しそうな色 !


編集部:これまでのプラントベースと何が変わっていましたか?

下田さん:ひとつめは「色」ですね。これまで体に良い食品は、どうしても茶色いイメージが強かったと思います。日本の食品でいうと、味噌、醤油、玄米、発酵食品をベースに料理をすると、栄養価は高い反面、どうしても茶色一色になりがちですよね。でも今回の展示会で目を奪われたのは、プラントベースの天然着色料!カラフルでワクワクする色合いはこれからのプラントベース食品やコスメの未来すら明るくする色でした。

カラフルでナチュラル、その理由は?

ナチュラルでここまでの色素が奏でるなんてアメージング !


編集部:カラフルな食品自体は以前からありましたよね?
下田さん:そうなんです。海外ではもともとお菓子のコーティングなどカラフルなお菓子は多くありました。ただ、これまでは合成着色料によるものが中心でした。アメリカの法律が変わったこともあり、天然の着色料に注目が集まっています。
編集部:今回の進化はどこにあるのでしょうか?
下田さん:プラントベースで同じレベルの発色ができるようになったことです。ビーツやターメリック、スピルリナなど、自然由来の素材でここまで鮮やかな色が出せるようになっています。数年前、アサイーがメジャーフードになった背景には加工と物流の課題をブラジルが国をあげて取り組んだことがあげられます。今回の天然着色料のカラフルな発色には、野菜や果物の搾汁技術や工場の酸化防止技術が貢献しています。
それ以上に、アメリカではとくに合成着色料の体への影響が問題視されているのだと考えます。たびたびメイクアップ化粧品の合成着色料が人体に影響があるとニュースされ始め、「ならば食品はもっとリスクがあるのでは?」という視点から天然素材への関心が高まり、供給につながっていると考えます。

編集部:ナチュラル=アースカラー、ではなくなったんですね。
下田さん:はい。くすみやにごりのあるカラーはダウントレンドなのではと感じたほどです。2026年はファッションやコスメの世界でも、ポジティブやPOP、ビタミンカラーというキーワードが出ているのと同様に、食品業界もカラフルな世界にあふれていました。
お菓子のなかでもとくにグミの進化を感じましたね。色の美しさに加えて味や食感の完成度も高い。さらに、ビオチンなどの栄養素を配合した商品もあり、楽しさと機能性が両立しています。

とくにグミの進化がすごかった。グミは海外ではメジャーで売れているからこそ進化がはやい ! そしておいしそうな色の豊富なこと !


編集部:おやつの概念も変わりそうですね。
下田さん:はい。「おいしそうで、ナチュラル」という選び方が主流になってきています。この色はどんな植物からできているのか、というストーリーも含めて選ばれるようになっていますね。「色そのものが価値になっている」点が、2026年の進化ポイントでした。

トレンドアイテムはプロテイン配合フード

まるで乳製品そのままのプラントベースのチーズ


編集部:プラントベースの広がりはますます進んでいるといえそうでしょうか?

下田さん:はい、体感ですが約3000社が集まる展示会の約7割がプラントベース食品という印象でした。プラントベースを主張するというより、いかにおいしいか、いかに簡単に調理できるか、いかに身近で手に入れられるか、そんなプロモーションが目立ちました。たとえばフランクリン・ファームズ社は、温めて出すだけ、調理プロセスなし、買い足すものはなし、5分で食べられるグルメというコピーを打ち出していました。現地のスーパーマーケットにも、コーナーの片隅ではなく当たり前にプラントベース食品が並んでいて、プラントベースは特別なものではなく、日常の選択肢になっています。

編集部:プラントベース食品のなかでのトレンドは?

下田さん:プロテイン配合が目立ちました。本来、プロテインはプロテインとして飲み、コーヒーはコーヒーとして、スナック菓子はあくまでおやつのはずですが、トレンドの傾向としては”一石二鳥ならぬ一石三鳥”であり、”時短”を意識したアイテムが多かったです。Beyond Burger®はハンバーガーのパティ、プラントフュージョン社は飲料、ほかにもコーヒー、チョコレート、クッキー、キャンディなどのお菓子全般と、とにかく多くの食品にプロテインが配合されていました。
一般的にプラントベース生活は脂質が少なくヘルシーですが、肉や魚などの動物性食品に比べてタンパク質が不足しがちとも言われます。近年のウェルネスライフ志向に寄り添う食品が多く出店されていて、さらにとてもおいしいことが特徴です

商標登録済みのBeyond Burger®は今季プロテイン配合に注力。プラントベースのトレンドを左右する企業のため多くのメディアやバイヤーが集まっていました。


もともとアメリカではサプリメントの過剰摂取も叫ばれており、「これさえ飲めば(食べれば)今日のミッションは終わり」という手軽さやウェルネス志向がますます高まっていると感じました。アメリカでのトレンドがのちに日本に届くため、こういったオールインワン的なプラントベースアイテムは、今後日本でもさらに増えると予測しています。ただ、日本はもとから海藻やキノコを食品として日々取り入れている食文化があるため、トレンドフードはアメリカと同じとは限りません。

肉やエビ、チーズそのもの。味わいが進化


編集部:味の面はいかがでしたか?

下田さん:味も食感も、かなり進化しています。お肉はもちろんエビやサーモン、チーズなども再現度が高くて、言われなければ分からないレベルです。その理由として、たとえば肉なら、技術による進化から本物の肉の繊維構造を再現できるようになったり、焼いた後の旨みや香ばしさの科学的な研究が進んだり、微生物の活用など原料と加工の工夫も進んでいます。魚の場合は、すり身技術の向上、こんにゃくや大豆、藻類を配合することで、ほぐれ感や弾力を再現しているようです。
あくまで私個人の食べた感想ですが、スパイスの使い方、マッシュルーム(きのこ類)で風味を出す、海藻などで味の奥行きを表現する、隠し味として醤油も活躍しているのではと感じました。

編集部:なかでも印象的だったものは?

下田さん:エビチリですね。ぷりっとした食感ともちもち感、深い味わいを演出しているのは芋類の澱粉だそうです。見た目から食欲をそそり、食べるとお腹にもたれず軽やかな印象でした。メリットはカロリーが低いこと。チリソースとも相性が良くておかわりしたくなるほどのおいしさ。デメリットは、もしかしていくらでも食べられるところ!

見た目も味もお肉やエビに変わりなく、ジューシーでコクがあっておいしい。

プラントベースのエビチリ? 正直、中華料理屋さんで出されたら分からないかも。

お肉にしか見えないけれどプラントフードミートです。


下田さん:お肉も肉汁がじゅわっとでるほどジューシーでかむほどに味わいが増し、言われなければ挽肉を使ったパティそのものと思ってしまうハンバーガーが目立ちました。2019年頃からの世界的な代替肉第1次ブームのときは、本物のお肉と比較するとパサパサしたり、代替素材の味や香りが強いという声や、価格も高いなど、日常に取り入れるにはハードルが高かった印象です。
現在は、「特別なひとの特別な食品」という立ち位置から、おいしさや価格を重視した「リアルな食品」というポジションへの転換期にあると感じました。今回展示会で訪れたアメリカはとくに「生活習慣から太ってしまい、血糖値や血圧を下げないと命に関わる」人が大勢います。日本のような保険診療もないため、予防という意識が日本より強く、お肉を食べたくても食べられない人が存在します。
そこに加えて、生き方としてベジタリアンやライトヴィーガンをこころざしている人も増えています。牛のゲップが二酸化炭素を生むことに懸念を覚えている環境派の方の存在も大きいと思います。
「代替肉ブームは落ち着いた」と取り上げられることもありますが、アメリカは多民族の国でさまざま宗教や思考があるため、今回の展示会ではプラントベースミート(代替加工肉)市場は活気にあふれているように映りました。健康や環境、おいしさの面から、プラントベースミート(代替加工肉)を必要とする人は今後ますます増えていくのではないでしょうか。

ビーフ(BEEF)とリーフ(LEAF)を掛け合わせた造語。プラントベースらしいネーミング。


現代人は食べ過ぎ?「おきかえ」という考え方


編集部:日常の食生活にもプラントベースが自然につながりそうですね。

下田さん:そうですね。たとえばチーズやマヨネーズなどは、おいしくてつい量が増えてしまうことはありませんか? 乳製品についてはさまざまな考え方があり、摂取量を控えたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。そのときにプラントベースのチーズなどにおきかえることで、ストレスを感じにくくバランスを取りやすくなります。
編集部:「我慢」ではなく「選び直す」ですね。

下田さん:そうです。ライフスタイルを変えずに調整できるのがプラントベースの魅力です。

チーズにしか見えないけど、もちろん、プラントベースです


「胃腸を休ませる」という視点


編集部:プラントベースを取り入れる意味をどう考えていますか?

下田さん:「胃腸を休ませる」という視点もあると考えています。腸活が近年のトレンドですが真の腸活は”寝ている間に消化をさせないこと”ではないでしょうか。以前アスリートの方に休日の過ごし方を聞いたら、胃を休ませるために食事を控えたうえで睡眠をとるとのことでした。じつは消化にはものすごく体のエネルギーを使うため、免疫やホルモン循環、修復力などがあとまわしになってしまうといわれています。その結果、疲れやすさや、肌荒れ、生理周期の乱れ、睡眠の質にもつながることもあります。早めの夕食を心がけたり、量や質を調整したり、プラントベースにおきかることもひとつの方法ですね。

編集部:今後3年間の変化予測をどうみていますか?

下田さん:プラントベース業界に限らず、医療・健康・美容分野のトレンドの核はロンジェビティ(健康寿命)という概念です。QOLを上げるとともに、環境要因に関係するアイテムが増えると考えています。年々猛暑、酷暑日の記録を更新しているなか、熱中症対策アイテムはこれまで以上に増え、時期も2月頃から発売されるようになるでしょうし、内側からの紫外線対策としてビタミンやミネラル剤は通年過熱するように思います。そのなかでプラントベースの比重も増えていくのではないでしょうか。

海外の展示会を訪問するたび思いますが、欧米の商品がそのまま日本で広がるわけではありません。
ユニークだけど見送る商品の特徴は、大きすぎる、重たすぎる、パッケージデザインが今っぽくないと感じてしまうことでしょうか。湿気や猛暑といった日本の環境変化に適しているかも見るポイントです。

日本で受け入れられやすいのは、

・便利さ
・ギフト仕様
・かゆいところに手が届く
・仕事がていねい

この要素があることが大切だと感じています。私たちバイヤーは最先端のトレンドをどうローカライズさせるかに視点をおいています。

バイヤー下田氏のおすすめ
Biopleで取り扱うカラフルなプラントベースお菓子


Beauty Sweeties ヴィーガン・サワーキャッツ ¥648/Biople
ドイツ生まれの美容グミ。3日間分のビオチン配合。ビオチンは皮膚のビタミンとも云われ、タンパク質の代謝を正常に整えるといわれています。コエンザイムQ10とアロエベラをギュッと濃縮して、食べるだけでキレイになりたい大人のお菓子。


it's fruit オーガニック フルーツ ウォーターアイスバー (レッド) ¥756/Biople
イタリア生まれの果汁たっぷりアイスバー。凍らせるとシャリシャリして口の中が楽しいんです。オーガニックの果汁を99%使用したフルーツアイスバー。さわやかな甘みで、猛暑のおでかけやお風呂上がりの水分補給にもおすすめです。

&kitto編集部おすすめ


ZENB スムージー ビーツ&アーモンド ¥1,780 (税込)/ZENB
スーパーフードのビーツとアーモンド、てんさい糖だけでできた粉末スムージー。色鮮やかでヨーグルトに混ぜるとぱっと明るく美しいピンク色に。


うさぎ農園 ビーツ ドレッシング ¥756/うさぎ農園
ビーツたっぷり、玉ねぎやにんにく、米油などが原材料のピンク色のドレッシングで、ひとさらに彩りを。鮮やかなカラーで食欲もアップしそう。


君島家の生搾り朝汁 (機能性表示食品)¥8640/FTC
美容家の君島十和子さん発、大分県の契約農家でのとれたて新鮮な大麦若葉の青汁。日々のエナジーチャージや肌弾力だけでなくGABA配合でストレスケアにもアプローチ。のみやすく続けやすい。

鵜飼恭子

&kitto編集長

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美容誌MAQUIAの編集者を経て、美容ジャーナリスト。10代に正しい美容を早期に伝えるイベント「TBZティーンビューティゼミ」主催。香り診断(嗅覚反応分析士)で心身バランスを可視化するサービスやセミナーを企業や大学、医療機関で行う。子どもの頃は帰宅してまず「かつおぶし削り」のお手伝い。お菓子や味噌など食をはじめ、衣服やインテリアなども母の手づくりで育つ。その反動で20代の食生活は乱れるが、出産を機に見直す。日本フェムテックマイスター協会評議員、嗅覚反応分析アンバサダー、MBA(経営管理修士)

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