クリーンビューティーの、その先へ。Credo Beauty「2025 Impact Report」から考える、これからの美容の選び方

公開日: 2026.8.20

特集

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「ヴィーガンコスメ」「クリーンビューティー」「サステナブルビューティー」。
美容を取り巻く選択肢が広がる一方で、「結局、何を基準に化粧品を選べばいいのだろう?」と感じることはありませんか。
成分を見る。動物実験の有無を確認する。ヴィーガンの製品を選ぶ。環境に配慮したパッケージを手に取る。
どれも、よりよい選択につながる一歩です。

けれど、一つの化粧品が私たちの手元に届くまでには、原料の生産から製造、容器、輸送、販売、そして使い終えた後まで、長いストーリーがあります。そんな「美容の背景」まで見つめ直すきっかけを与えてくれるのが、アメリカのクリーンビューティーリテーラー「Credo Beauty(クレド ビューティー)」が発表した「2025 Impact Report」です。


今回はVEGAN’S LIFE編集部がこのレポートの中から、これからの美容を考えるうえで知っておきたい取り組みをピックアップ。「何を使わないか」だけではない、新しい美容の選び方を考えます。

「Credo Beauty」とは?

Credo Beautyは、2015年にスタートしたアメリカのクリーンビューティーリテーラーです。特徴的なのは、「クリーン」を掲げるブランドを集めて販売するだけではなく、自ら「The Credo Clean Standard™」という基準を設け、取り扱うブランドにその基準への適合を求めていること。その対象は、化粧品の成分だけではありません。

安全性や透明性、動物への配慮、原料調達、パッケージなど、製品がつくられてから消費者の手元に届くまでを幅広く捉えています。つまりCredo Beautyは、「どんな商品を売るか」だけではなく、「美容業界にどんな基準をつくるか」にも取り組んでいる存在なのです。

「入っていないもの」だけでは、クリーンビューティーを語れない

Credo Beautyを象徴するもののひとつが「The Dirty List®」。
安全性や環境への影響などの観点から、取り扱う製品では使用できない2,700以上の成分・成分カテゴリーを定めています。しかし、Credo Beautyが目指すクリーンビューティーは、「○○フリー」を増やすことだけではありません。

どこから原料が来たのか。
どのようにつくられたのか。
原料や製品について、消費者にどこまで情報が開示されているのか。
製品の背景まで含めて、透明性を高めようとしています。

私たちは化粧品を選ぶとき、つい「何が入っているか」「何が入っていないか」に目を向けがちです。
けれど、これからはもう一歩進んで、
「これは、どのようにつくられたものなのだろう?」と考えてみる。
それも、美容を選ぶ新しい基準になっていくのかもしれません。

クルエルティフリーは「ゴール」ではなく、スタート地点

VEGAN’S LIFEとして特に注目したいのが、動物との向き合い方です。
Credo Beautyでは、取り扱いブランドにクルエルティフリーであることを求めています。


ここで知っておきたいのが、「クルエルティフリー」と「ヴィーガン」は同じ意味ではないということ。

一般的にクルエルティフリーは動物実験を行わないことを指し、ヴィーガンコスメは動物由来成分を使用しない製品を指します。そのため、Credo Beautyで取り扱われているすべての商品がヴィーガンというわけではありません。それでもVEGAN’S LIFEが今回のレポートに注目した理由があります。

Credo Beautyが、クルエルティフリーを最終的なゴールではなく、より責任ある美容を考えるための「ベースライン」として位置づけているからです。

動物実験をしていないか。
どんな原料を使っているのか。
それはどこから来たものなのか。
製品に関わる人やコミュニティ、環境にどのような影響があるのか。
美容と動物との関係を入り口に、その視線をサプライチェーン全体へと広げています。

「動物実験をしていないからOK」で終わらせない。その先にある背景まで知ろうとする姿勢は、ヴィーガンという選択について考える私たちにとっても、興味深い視点ではないでしょうか。

化粧品は「使い終わったら終わり」ではない

2025 Impact Reportでもうひとつ大きく取り上げられているのが、パッケージの問題です。スキンケアやメイクアップ製品には、小さな容器やキャップ、ポンプ、異なる素材を組み合わせたパーツなどが多く使われています。

そこでCredo Beautyは、美容業界のパッケージ廃棄物の問題に取り組む非営利団体「Pact Collective」の共同設立にも参画。美容製品の空容器を回収し、その後の再利用やリサイクルなどにつなげる仕組みづくりに取り組んでいます。


さらに、取り扱いブランドに対してパッケージに関するガイドラインも設定。

2025 Impact Reportでは、対象となるパッケージについて、70%以上のブランドが「使用するプラスチックの少なくとも50%をPCR(使用済みプラスチックを再利用した再生素材)にする」という基準を満たしたことが報告されています。


美容製品を選ぶとき、中身にはこだわっていても、使い終えた容器の行き先まで考えることは、まだそれほど多くないかもしれません。

「使い終わったあと、この容器はどこへ行くのだろう?」
その問いもまた、これからの美容には必要になっていきそうです。

「Kelp(海藻)」から考える、これからの美容原料

原料についても興味深い取り組みが紹介されています。
Credo Beautyは、GreenWave、MacroOceansとともに「Kelp Co-Lab」に参加。

Kelpとは、海中で育つ大型の海藻類のこと。
海藻養殖は陸上作物とは異なり、淡水や肥料を必要とせずに育てることができるなど、環境面からも注目されています。

Credo Beautyでは、こうした海藻由来の原料を自社のボディケア製品にも採用しています。ここで注目したいのは、「天然由来だから環境にいい」という単純な考え方ではありません。

美容成分としてどんな役割を果たすのか。
どのように育てられたのか。
どこから、どのように調達するのか。
製品としての機能と、その原料が生まれる背景の両方を見ること。
これは、これからの化粧品原料を考えるうえでも重要な視点になりそうです。

美容の環境負荷は、私たちの目に見えない場所にもある

今回のレポートの中で、VEGAN’S LIFE編集部がもうひとつ注目したのが、温室効果ガス排出量についての調査です。

Credo Beautyは事業に関連する温室効果ガス排出量を算定し、その90%以上が、自社の店舗やオフィスの外側にあることを報告しています。つまり、店舗の電気を減らす、自社オフィスで廃棄物を減らす、といった取り組みだけでは十分ではありません。

製品の製造、パッケージ、物流など、私たちの目には直接見えないサプライチェーンにも目を向ける必要があります。
私たちが店頭で手にする、小さな化粧品。その背景には、原料をつくる人がいて、容器をつくる人がいて、製品を製造する人がいて、それを運ぶ人がいる。一つの化粧品の背景を想像することは、美容と社会や環境とのつながりを知ることでもある。

今回のレポートは、そんな当たり前だけれど見落としがちなことを教えてくれます。

「ヴィーガンかどうか」の、その先へ

ヴィーガンコスメを選ぶ。
クルエルティフリーの製品を選ぶ。
環境に配慮したパッケージを選ぶ。
原料の背景を知ってから選ぶ。
どれかひとつだけが「正解」ということではありません。
そして、毎日の買い物ですべてを完璧に選ぶことも、決して簡単ではありません。

だからこそVEGAN’S LIFEでは、まず「知ること」を大切にしたいと考えています。

誰がつくったのか。
何からできているのか。
動物とどのように関わっているのか。
どんな容器に入っているのか。
使い終わった後はどうなるのか。
そして、その製品を選ぶことは、どんな未来を応援することにつながるのか。

美容を楽しむことと、動物や地球、人のことを考えることは、別々のものではないはずです。
毎日使うものだからこそ、その背景をほんの少し知ってみる。そして、自分にできる選択肢から選んでみる。

「私は、どんな美容を選びたい?」
Credo Beautyの「2025 Impact Report」は、これから化粧品を手に取るとき、そんなことを考えるきっかけを与えてくれるレポートです。

INFORMATION

Credo Beauty 2025 Impact Report
Credo Beautyがクリーンビューティー、動物への配慮、パッケージ、原料調達、サプライチェーンなどに関する取り組みと進捗をまとめたインパクトレポート。
※本記事はCredo Beauty「2025 Impact Report」およびCredo Beautyが公開する情報をもとに、VEGAN’S LIFE編集部が独自の視点で構成・編集したものです。

https://credobeauty.com/?srsltid=AfmBOopZfwxzjJc4q_vV1uj6UHTCV2I2Ee6mg2TS2L64FLAk1r6UV8iC

服部めぐみ

VEGAN’S LIFE編集長

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ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター。美容・食・サステナブル領域を専門とするエディター。生産者やブランドの哲学を伝える取材・編集を行う。「未来に残したい価値を、読者の心に残るコンテンツへ。」をテーマに、プラントベースを軸とした新しいライフスタイルを発信している。

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