“選ぶこと”で変わる日々。東京と広島を行き来するKITTOISTおたけさんがつくる、サウナと食の関係
公開日: 2026.4.23
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東京と広島、そして瀬戸内海に浮かぶ江田島。
拠点を行き来しながら、サウナとカフェを営む&kitto公式アンバサダー・KITTOISTのおたけさん。
(株)Be creative 代表取締役(サウナ施設『NOT BUSY』を運営)おたけさん
忙しく移動の多い日々の中で、彼女が大切にしているのは、自分の状態に合わせて選ぶこと。
体を温めることも、そのひとつの大切な習慣です。
サウナと食。
一見別々に見えるこの2つは、彼女の中で自然につながりながら、日々のコンディションを支えています。
原点にあった「背景を知る」という視点
もともとアパレル業界で働いていたおたけさんは、常に見た目やスタイルが重視される環境に身を置いていました。
その中で大切にしていたのが、「原点を知ること」。
洋服においても、アイテムの成り立ちや生産背景を理解した上で、自分なりに解釈し、スタイリングに取り入れていく。ただ身につけるのではなく、その背景や意味を踏まえて向き合うことが、自分の中の軸になっていたといいます。一方で、その価値観が深まるにつれて、世の中の“便利さ”との間にギャップを感じるようになっていきました。
食との向き合い方の変化
その感覚は、食にも表れていきます。
生産状況や加工について知るほどに、コンビニで納得して選べるものが見つからない。食品表示を見ては購入をやめ、何も買わずに店を出ることもあったそうです。
「選べるはずなのに、納得できるものがない」
その感覚は、不便さと同時に、どこか悲しさも伴うものでした。また当時は、洋服が似合うスタイルを維持するために、食事を「減らす・我慢する」という選択しか知らなかったといいます。本来の自分の感覚を切り離し、選択肢を削ぎ落とすことで成り立たせていた、ストイックな生活でした。
“制限”から“選ぶ”へ
そうした経験を経て、現在の食との向き合い方へと変わっていきます。単に「食べない」という制限ではなく、多くの選択肢の中から、自分を心地よくしてくれるものを選ぶというスタイルへ。
食事においては、できるだけシンプルで、体に負担の少ないものを選ぶことを意識しています。特に、体を冷やさないことや、内側からのコンディションを考えることは、日々の中で自然と大切にしているポイントです。また、プラントベースについても、動物性を完全に排除するのではなく、その時の体の状態や感覚に合わせて、植物性のものを中心に選ぶことが多くなりました。
もともと大切にしてきた「背景を知る」という視点から、何を選ぶかだけでなく、どのように作られているのか、体にどう影響するのかを考えるように。そうした積み重ねの中で、無理に制限するのではなく、自分にとって自然で心地よいバランスとして、今の食事スタイルに落ち着いていきました。
移動の中でも崩さない、日々の感覚
広島に拠点を持ってからは、東京と広島、さらに江田島を行き来する生活に。
環境が変わり続ける中で意識しているのは、特別なことを増やすのではなく、自分の状態や感覚を見失わないことです。
特に大切にしているのは、
・体を冷やさないこと
・温かいものをとること
一見シンプルですが、そうした積み重ねが日々の状態を支えています。体を温めることをひとつの軸にしながら、その時の自分の感覚に合わせて選ぶことを大切にしています。
サウナとの出会い
もともと銭湯やお風呂が好きで、小さな頃から日常の中にある習慣でした。
ただお湯に浸かってぼーっとする時間もあれば、頭の中で考えごとをする時間もある。
そのどちらも、自分にとって大切な時間だったといいます。
そんな中で訪れたフィンランドで、サウナ文化に出会いました。
そこには決まった過ごし方はなく、誰かと会話を楽しむ人もいれば、一人で静かに過ごす人もいる。
空間全体にやさしさがあり、それぞれが自然体でいられる場所。
その自由さと心地よさに、強く惹かれたそうです。
サウナという場所の意味
その体験を通して、サウナに対する捉え方が変わりました。
単に汗をかくための場所ではなく、自分の状態に気づき、本来の感覚に戻っていくための時間。
体が温まることで緊張がゆるみ、思考のノイズが少しずつ静まっていく。
日常の中で積み重なっていたものが、自然とほどけていくような感覚です。
自らつくった場所「NOT BUSY sauna&cafe(ノットビジー)」

そうした想いを形にしたのが、広島・江田島にある「NOT BUSY sauna&cafe」です。
この場所は、体を温めることを体感できるだけでなく、ヘルスケアの考え方そのものを伝える拠点としてつくられました。
もともと銭湯やお風呂が好きで、自分にとって身近な習慣だったというおたけさん。
フィンランドで体験したサウナでは、決まった過ごし方はなく、誰もが自然体でいられる空間が広がっていました。
その自由さと、空間全体に流れるやさしさに強く惹かれたといいます。
この体験を通して、サウナは単に汗をかくための場所ではなく、人が本来の状態に戻っていくための時間になり得ると感じるようになりました。
そして、体を温めることを大切にするヘルスケアの考え方を広げていく中で、サウナという場所は、その価値を体感として伝えられる拠点になると考えたといいます。
そうして生まれたのが、この「NOT BUSY sauna&cafe」です。
また、カフェとサウナの距離感がとても近いのも特徴です。カフェからサウナや水風呂に入っている様子が見えるような設計になっており、それぞれが独立しているというよりも、ひとつの空間としてつながってい ます。そのため、食事をすることのように、サウナも特別なものではなく日常に自然と溶け込んでいく存在であってほしいといいます。
サウナと食のつながり
サウナに入ると、自然とお腹が空いてきます。
それは体が巡り、エネルギーが使われているサインでもあり、その状態で取り入れる食事は、無理なく体に入っていく感覚があります。.jpg)
施設内のカフェでは、フィンランドの食文化をベースに、やさしい味付けで、体に負担の少ないメニューを提供。
プラントベースのスイーツやアーモンドミルクラテなど、その日の体調や気分に合わせて選べることを大切にしています。
日常の中にあるものとして
サウナは特別なものではなく、日常の中に自然にある存在であってほしい。
そうした考えから、施設ではドリンクの持ち込みや会話も可能にしており、カフェに来るような感覚で気軽に過ごせる空間になっています。決まった入り方やルールにとらわれるのではなく、自分のペースで過ごすこと。それが、この場所のあり方でもあります。
プラントベースとの出会いと変化
ヘルスケアの事業に関わる中で、腸にやさしい食事について学び始めたことがきっかけでした。
さらに価値観が大きく変わったのは、ヴィーガンの友人の存在です。それまでプラントベースやエシカルな選択は、どこか限られた人のもので、選択肢も少ないという印象がありました。知った情報も、ネットで調べて自分の中で完結するものだったといいます。
しかし、地元に帰った際にその友人と一緒にヴィーガンの飲食店を巡ったり、エシカルな商品を共有する中で、その印象は大きく変わっていきました。外食でも自然に楽しめること、誰かと一緒に選び、体験することで、理解が広がっていくこと。そうした経験を重ねるうちに、プラントベースは“限られたもの”ではなく、日常の中で無理なく選べるものへと変わっていきました。
食を選ぶときの基準
食事を選ぶときに大切にしているのは、「食べる前も、食べた後も心地よくいられるか」という感覚です。味のおいしさだけでなく、一緒に過ごす時間や、そのあとの体の感覚も含めて考えること。食べ終わったあとに、自然と「おいしかった」と思えるか、体に負担が残らないか。逆に、罪悪感が残ったり、体が重く感じるものは、できるだけ選ばないようにしています。
おいしさと、体へのやさしさ
おいしさと体へのやさしさは、どちらかを優先するものではなく、自然に重なっていくもの。その両方が無理なく成り立っているときに、いちばん満足できる選択になると感じているといいます。
KITTOISTおたけさんから学んだこと

おたけさんの暮らしの中で印象的だったのは、何かを我慢したり、制限することではなく、自分の感覚に合わせて選んでいるということでした。サウナで体を温めることも、食事を選ぶことも、すべては“今の自分にとって心地よいかどうか”という視点でつながっています。無理に変えようとしなくても、日々の中で選んでいることの積み重ねが、自然と今の状態につながっているのかもしれません。
施設情報
NOT BUSY sauna&cafe(ノットビジー)
〒737-2311
広島県江田島市沖美町岡大王2153-3
https://notdusy.com/about
