長く使えるものを選ぶには?サステナブルな暮らしともの選びのヒント
公開日: 2026.10.14
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「ものを長く使うこと」「流行に左右されず、自分に合うものを選ぶこと」。そんなサステナブルな暮らしを続けるには、どんな視点が必要なのでしょうか。
今回は、2026年10月からKITTOIST(&kittoアンバサダー)として活動する「団地の朝」さんに、長く愛せるものの選び方や、作り手の誠実さを見る理由、そして暮らしの中で大切にしている“自分のものさし”について伺いました。%E6%A7%98%20(1).jpg)
古い家具や雑貨、音楽、植物など、自分が心地よいと感じるものとともに団地で暮らす団地の朝さん。お話を聞いていくと、ものを選ぶことは単に商品を選ぶことではなく、「どう暮らしたいか」「どう生きたいか」を考えることにもつながっていました。
ものを選ぶときに大切なのは「誠実さ」
団地の朝さんが、日々の暮らしの中でものを選ぶときに最も大切にしているのは、そのものに「誠実さ」があるかどうかです。
デザインや使いやすさはもちろん大切ですが、それ以上に気になるのは、その商品がどんな考え方で生まれたのか、どんな人が、何を大切にして作ったのかという背景なのだそう。自分の暮らしに迎え入れるものは、できれば長く付き合いたい。だからこそ、流行しているかどうかよりも、自分の心が本当に動くかどうかを大切にしています。

新しいものが次々と生まれる今、つい「いま人気だから」「話題だから」という理由でものを選んでしまいがちですが、団地の朝さんが見ているのは今売れているかではなく、“この先も付き合っていきたいと思えるか”ということなのかもしれません。
手間のかかるものに感じる「人間らしさ」
団地の朝さんは、古い家具や雑貨のような、少し手間のかかるものにも惹かれるといいます。パートナーと暮らし始めてから古い雑貨に触れる機会が増え、長い間誰にも選ばれずに残っていたものが、自分にはとても魅力的に映ったそうです。
古いものに触れるたびに感じるのは、作り手の倫理観や、ものに対する敬意。もちろん、昔のものがすべて優れていたわけではありません。それでも、効率や売れやすさだけでは測れない価値が、そこには残っていると感じています。
手間のかかるものに惹かれる理由は、単なる懐かしさではありません。均一ではないこと、少し不便であること、手をかける余地が残っていること。そうしたものの中に、人の時間や感覚が残っているように感じるからこそ、団地の朝さんはそこに「人間らしさ」を見いだしているのだと思います。
AIの時代だからこそ、効率化しなくていいものがある
団地の朝さんの人生の芯にあるのは、音楽です。演奏の世界では、600時間をかけて練習した先に、6分の曲を表現することも珍しくありません。同じ曲であっても、演奏する人や時間、場所によって、まったく違うものになる。音楽は、効率だけでは語れない世界。
だからこそ、レコードのようなアナログなものにも惹かれるといいます。制作する行為そのものに時間がかかるもの、人の手を介するもの、完全には均一にならないもの。そうしたところに、人間らしい揺らぎを感じているそう。
そして、AIの時代になった今、よりはっきり見えてきたことがあるそうです。それは、人間の感覚や所作、感情まで効率化する必要はないということ。時間をかけて何かを味わったり、すぐに答えを求めず楽しんだりすることは、これからの時代、むしろ贅沢になっていくのかもしれません。
「便利」と「心地いい」は、同じではない
便利なものがあふれる一方で、団地の朝さんは、ときに「あえて便利すぎないもの」を選びます。たとえば、古い家具や雑貨。機能性が最新の商品ほど高くなかったり、少し手入れが必要だったりしても、使っていて心地よいものがあります。
使い勝手がいいことと、使っていて心地いいことは、必ずしも同じではありません。現在は団地で暮らしながら、限られた空間の中で家具の位置を変えたり、古いものと新しいものを組み合わせたりしながら、暮らしそのものを楽しんでいます。
もちろん、便利さを否定したいわけではなく、必要なものは取り入れる。ただ、便利さだけを基準にしてしまうと、見落としてしまう魅力もある。その余白を残しておくことも、団地の朝さんにとっては大切な感覚です。
サステナブルな暮らしは、我慢から始まるものではない
「サステナブル」という言葉を聞くと、環境のために何かを我慢したり、特別なことを始めたりするイメージを持つ人もいるかもしれません。けれど、団地の朝さんにとっては少し違います。
古いものが好きで、手をかけることが好きで、長く使いたいと思えるものを選びたい。そんなふうに、自分が心地いいと思う暮らしを続けていたら、結果としてサステナブルな暮らしになっていたのだそうです。
「環境のために何かを我慢するというより、自分が心地よいと思う暮らしを続けていくこと。好きな暮らしが、サステナブルだったんだと最近感じます」
この言葉には、「サステナブルだから選ばなければ」と考えるのとは少し違う、自然体な感覚があります。サステナブルな暮らしは、特別なルールを増やすことではなく、自分にとって心地よい選択を重ねていくことでもあるのだと思います。
長く使えるものより、「長く信頼できるもの」
長く使いたい、大切にしたいと思えるものには、どんな共通点があるのでしょうか。団地の朝さんが挙げたのは、時間が経っても価値が失われないことでした。
家具や雑貨であれば、使い込むほどに暮らしになじみ、傷や色の変化さえ、一緒に過ごした時間の記録になります。一方、食品のように使い切るものでも考え方は同じで、素材の選び方や作られる過程に誠実さを感じられ、食べることで心も体も満たされるものには、自然とまた手が伸びます。
ものを長く使うことと、同じ食品を繰り返し選ぶこと。一見違うように見えても、どちらもそのものの価値を認め、大切に付き合い続けるという点では同じです。団地の朝さんが求めているのは、単に“長持ちするもの”ではなく、長く信頼できるものなのかもしれません。
高いか安いかより、その価格に納得できるか
ものを選ぶとき、価格は大切な要素ですが、高いものが良くて、安いものが悪いということではありません。安くても、自分の暮らしに必要がなかったり、心が動かなかったりすれば選ばない。反対に、高価でも、長く使いたいと思えて、作り手の考え方にも共感できるなら、選ぶ価値があると考えています。
大切なのは、その価格に自分が納得できるかどうか。そして、そのものとこれからどう付き合っていきたいのか。価格だけを見るのではなく、その背景や、自分との関係まで含めて考えることが、納得できるもの選びにつながっています。
矛盾していてもいい。「自分のものさし」で選ぶ
団地の朝さんが大切にしている考え方のひとつに、「縛られすぎないけれど、意思がある」というものがあります。
プラントベースの食事が好きでも、それ以外の食事も楽しむ。古いものが好きでも、必要なら新しい技術や便利なものも取り入れる。何かひとつの考え方に、自分を厳しく当てはめる必要はないと考えています。
多少の矛盾があってもいい。そのかわり、そのときどきで「なぜこれを選ぶのか」を自分で考える。周囲が選んでいるからでも、流行しているからでもなく、自分の意思で選ぶこと。それが、団地の朝さんにとっての「自分のものさし」です。
その時々で選択は変わっても、自分が大切にしている芯からは、なるべくブレないようにする。そんな柔らかさと意思の強さが、団地の朝さんの暮らしにはあります。
団地暮らしは、“今の自分”に合わせて変えていく
暮らしている場所と、もの選びにも関係があります。団地の朝さんの場合、住まいに合わせてものを選ぶというより、「好きなものに合わせて住まいを変えている」という感覚に近いそうです。
気に入った家具や雑貨、植物を迎え入れたら、それらが心地よく収まるように部屋を工夫する。そして、人は年齢や経験とともに変化していくものだから、好きなものも、心地よいと感じる空間も、変わって当然だと考えています。
住まいを完成されたものとして固定するのではなく、その時々の自分に合わせて変えていく。ものを選ぶことも、住まいを整えることも、“今の自分”を表現することなのかもしれません。
「いい暮らし」とは、自分の人生に芯があること
では、団地の朝さんにとって「いい暮らし」とは、どんな暮らしなのでしょうか。返ってきたのは、「自分の人生の中に、何か一つの芯がある暮らし」という答えでした。
団地の朝さんにとって、その芯は音楽です。音楽を通して、ものを感じ、人と出会い、自分自身を見つめてきました。
何を持っているか、どんな家に住んでいるか、どれほど便利な生活をしているか。そうしたことだけで、豊かさは測れない。人生の中に大切にしているものがひとつあれば、日々の選択にも自分なりの意味が生まれてくる。
「豊かな暮らしとは、たくさんのものを持つことではなく、自分の人生を自分のものとして生きることなのだと思います」
もの選びについて話を聞いていたはずが、気づけば「どう生きるか」というところまでつながっていました。
商品の向こう側にいる「人」を伝えたい
KITTOISTとして、これから出会ってみたいのは、ものづくりに倫理観を持つブランドや作り手だといいます。大量に売れることよりも、自分たちが本当に良いと思えるものを作ろうとしている人たち。昔ながらの技術を大切にする人も、新しい発想でものづくりをする人も、どちらにも興味があります。
大切なのは、新しいか古いかではありません。そこに、人間らしい誠実さがあるかどうか。
そして、団地の朝さんには、これからやってみたいことがあります。
それは、ものづくりの現場に実際に足を運ぶことです。製造過程を自分の目で見て、作り手と話し、そこにどんな工夫や苦労、考えがあるのかを知る。用意された説明文や、誰かから聞いた言葉ではなく、自分自身が見て、感じたことを、自分の言葉で伝えたいと考えています。
「ものを紹介することは、そのものを生み出した人たちの思想や生き方を紹介することでもあると思っています」
商品を紹介するということは、使い心地や価格を伝えるだけではありません。その向こう側には、つくった人がいて、その人の時間や思想があります。
&kittoで団地の朝さんがこれから届けてくれるのは、商品の感想だけではなく、その背景にある「人」の物語なのかもしれません。
PROFILE
団地の朝
2026年10月よりKITTOISTとして活動。音楽を人生の芯に置きながら、古い家具や雑貨、植物など、自分が心地よいと感じるものとともに団地で暮らす。流行や便利さだけではなく、ものづくりの背景や作り手の誠実さに目を向け、自分自身の「ものさし」で選ぶことを大切にしている。
Instagram:danchinoasa
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCXrGbQb9W5AgWAslUpP-agA
