アムリターラ創業者インタビュー【第3章】|日本の食文化を未来へ。生産者とともに歩むものづくり
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第3章|日本の食文化を未来へつなぐ。
生産者とともに歩む、本物のものづくり
「化粧品ブランドが、なぜ食品までつくるのですか?」
アムリターラには、そんな質問が寄せられることが少なくありません。しかし勝田 氏にとって、その答えはとてもシンプルです。
「肌だけではなく、身体の中から整えることも、同じくらい大切だと思っているからです。」.jpg)
「早く、多く」ではなく、「自然のままに、丁寧に」。肉厚な天然わかめと、一年にわずか2日だけ収穫される姫島の「幻の2日ひじき」。自然のタイミングを待ち、ひとつひとつ丁寧に仕上げられた海の恵みは、手間を惜しまないものづくりの価値を教えてくれます。
「つくること」が目的ではなく、「本当にいいものを届けること」が目的
アムリターラの食品づくりは、化粧品づくりと同じ哲学の上に成り立っています。味噌や醤油、酢、味醂、玄米麺、甘酒など、多くの商品は、生産者と対話を重ねながら原料選びからこだわり、アムリターラのオリジナル商品として一つひとつ丁寧に開発されています。一方で、世の中には、すでに素晴らしいものをつくり続けている生産者や職人がいることも、勝田 氏はよく知っています。
「私たちが目指しているのは、オリジナルをつくることが目的ではありません。本当にいいものを届けることなんです。」
だからこそ、「これ以上手を加える必要がない」と心から思えるものに出会ったときは、そのつくり手の想いや背景も含めて届けたいという考えから、セレクト商品として紹介することもあります。
全国各地を訪ね歩き、生産者と直接語り合い、畑を歩き、蔵を訪ね、ものづくりへの姿勢に触れる。その中で、原料から一緒に考え、新たな商品をつくり上げることもあれば、「この方のものを、そのまま届けたい」と感じる出会いもあります。オリジナル商品とセレクト商品――形は異なっても、そこに共通しているのは、「本当にいいものだけを届けたい」という揺るぎない想いです。アムリターラにとって、ものづくりとは商品を生み出すことではなく、生産者の想いや日本の食文化、そして未来へ受け継ぎたい価値そのものを届けることなのです。
日本の発酵文化を、未来へつなぎたい
取材中、勝田 氏が何度も口にしていた言葉があります。それは、「本物が少なくなっている」という危機感でした。
たとえば、醤油。
昔ながらの木桶で仕込み、自然の菌の力だけでゆっくりと発酵させる蔵は、日本でも数えるほどしか残っていないといいます。効率を優先すれば、短期間で大量生産する方法もあります。しかし、それでは長い年月をかけて受け継がれてきた香りや旨み、土地ごとの個性は生まれません。
「本物を知る人は、本物を知っています。」
だからこそ勝田 氏は、時間も手間も惜しまない職人たちとともに歩むことを選びました。
「この人のものを届けたい。」
商品ではなく、人に惹かれた。そんな出会いも少なくありません。取材で印象的だったのが、梅干しづくりを続ける90代の生産者のお話です。.jpg)
古来種「鶯宿梅」を3年間熟成させた梅干し。
昔ながらの製法を守り続けるその姿に共感し、何度も足を運び、想いを重ねるうちに、「ぜひアムリターラで紹介したい」と考えるようになったそうです。
「最初から商品化を考えていたわけではありません。この方がつくるものを、もっと多くの人に知ってほしいと思ったんです。」
商品の背景には、必ずつくり手がいます。その人の生き方や哲学まで含めて届けたい。それが、アムリターラの考えるものづくりです。
「責任は、私たちが持ちます。」
自然のものづくりは、決して思い通りにはいきません。
天候によって収穫量が変わることもあります。発酵も、生きものが相手です。
思わぬ変化が起きることもあります。
それでも勝田 氏は、生産者にこう伝えるそうです。
「責任は私たちが持ちます。だから、本当にいいものをつくってください。」
効率よりも品質を。
利益よりも、本物を。その覚悟があるからこそ、生産者も安心して挑戦できる。ブランドと生産者が対等な立場で歩んでいることが、取材を通して伝わってきました。
「日本には、世界に誇れるものがある。」
海外展開も始まった今、勝田 氏が改めて感じているのは、日本のものづくりの価値です。自然栽培の野菜。発酵文化。職人の技術。四季とともに育まれた食文化。どれも日本では当たり前のように存在していますが、世界から見ると、とても特別なものです。
「日本には、本当に素晴らしいものがあります。それをきちんと未来へつないでいきたいんです。」
化粧品ブランドでありながら、食や生産者、伝統文化まで大切にする理由。
その根底には、「本当にいいものを未来へ残したい」という、創業以来変わることのない想いがありました。
次回予告|第4章「表参道店から、次の15年へ。」
2026年、15周年を迎えたアムリターラ表参道店はリニューアルオープンしました。
そこは、商品を販売するだけの場所ではなく、「ここなら安心できる」と感じられる空間でもあります。
最終章では、自然素材にこだわった店舗づくりや、お客様との向き合い方、ロングセラー商品、そして次の15年へ向けたブランドの未来についてお届けします。
