“脂肪は悪”じゃなかった? 熟成ニンニク抽出液『S1PC』研究から見えてきた、新しい健康観
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「できるだけ脂肪を減らしたい」そんな空気は、ここ数年さらに強くなっている気がします。糖質オフ、脂質オフなど。SNSには、“いかに削るか”を競うような情報が並び、「痩せている=健康」という価値観は、もはや当たり前のように浸透しています。でも最近、その常識が少しずつ変わり始めています。
きっかけのひとつが、ニンニク由来成分「S1PC(エスワンピーシー)」に関する最新研究。
by PRtimes
老化・寿命研究の第一人者として知られる今井眞一郎 氏らの研究チームが、熟成ニンニク抽出液に含まれるS1PCに、抗老化作用の可能性”があることを発表しました。
老化・寿命研究の第一人者 今井眞一郎 氏
研究成果は、生命科学分野の国際学術誌 Cell Metabolism に掲載。
今回の研究では、熟成ニンニク抽出液由来成分「S1PC」が、脂肪組織からのeNAMPTの分泌を促進し、視床下部を介して加齢に伴う筋力低下を改善することが明らかになりました。研究を行ったのは、一般社団法人プロダクティブ・エイジング研究機構(IRPA)の吉岡潔志主任研究員と、湧永製薬株式会社 中央研究所による共同研究チーム。
湧永製薬株式会社 代表取締役社長:湧永寛仁 氏
さらに研究チームは、「S1PCが、“脂肪-脳(視床下部)-筋肉”という臓器間コミュニケーションを介して健康を支え、老化に拮抗する作用を発揮する」ことを明らかにしました。
脂肪組織におけるS1PCのeNAMPT-EV分泌促進作用のメカニズム by PRTimes
ここで印象的なのは、“筋肉に直接働きかけた”という話ではないこと。脂肪、脳、筋肉と身体はそれぞれが独立しているのではなく、互いに情報を送り合いながら、全体として機能している。今回の研究は、そんな“身体のネットワーク”そのものに注目した研究でもありました。
「老化は、治療ではなく予防する時代へ」
今井氏はこれまで一貫して、「老化は病気ではなく、生理学的に起こる現象」であり、「老化は治療するものではなく、予防することが重要」という考えを提唱しています。それは、いわゆる“若返り”とも少し違います。
無理に年齢を巻き戻すのではなく、「長く動けること」「自分の身体で暮らせること」「健康寿命を維持すること」を目指す、“プロダクティブ・エイジング”という考え方。今回の研究も、単なる美容成分の話ではありません。「加齢とどう付き合いながら、健康を維持していくか」。そんな、“健康長寿社会”そのものを見据えた研究として進められている点が、とても印象的でした。
脂肪は、“ただの余分なもの”ではない
これまで脂肪というと、「太る原因」「見た目を崩すもの」「減らすべきもの」として語られることがほとんどでした。でも近年の研究では、脂肪組織は単なる蓄えではなく、身体のさまざまな場所と情報をやり取りする「器官」のような役割を持っていることがわかってきています。今回の研究でも、S1PCは脂肪組織に働きかけ、“eNAMPT”という老化・寿命制御に重要な酵素の分泌を促進。その情報が脳の視床下部へ届き、細胞のエネルギー代謝に重要な「NAD+」の合成を高め、さらに筋肉機能にも影響を与える可能性が示されました。つまり、脂肪 → 脳 → 筋肉という、身体の連携そのものに関わっている、ということ。“脂肪をなくす”ことばかり考えていた時代から、“身体がちゃんと連携できる状態をつくる”時代へ。ウェルネスの考え方そのものが、少しずつ変わり始めています。
「細いのに疲れる」が増えている
最近、「ちゃんと食べているのに疲れる」ではなく、「食べていないから、ずっと疲れている」人が増えていると言われています。特に30代後半以降の女性では、「タンパク不足」「脂質不足」「慢性的な低栄養」「筋肉量の低下」が隠れているケースも少なくありません。見た目は細い、でも、身体はエネルギー不足、集中力が続かない、朝から疲れている、肌も気分も揺らぎやすい。そんな状態を、年齢だからで片づけてしまう前に、身体がちゃんと働ける材料が足りているかを見直す必要があるのかもしれません。
今回の研究でも、S1PCによるeNAMPT増加は、健康な脂肪量を維持している被験者で確認されたとされています。これは、脂肪があることそのものが悪なのではなく、身体が機能するために必要な脂肪もある、ということを示しているようにも感じます。
プラントベースでも、“削りすぎ”には注意したい
VEGAN’S LIFEの姉妹サイト「&kitto」でも、プラントベースな暮らしを取り上げることは多いですが、本来プラントベースは「我慢する食事」ではありません。大切なのは、何を減らすかだけではなく、「どんな脂質を摂るか」「どう巡らせるか」「身体がちゃんと機能できる状態か」という視点。例えば、「ナッツ」「アボカド」「オリーブオイル」「ごま」「発酵食品」などに含まれる良質な脂質は、身体にとって必要なものでもあります。「ヘルシー=低脂質」ではなく、ちゃんと働ける身体を育てること。それが、これからのウェルネスでは大切になっていくのかもしれません。
編集部おすすめアイテム
“削る”ではなく、“整える”を意識したアイテム
アーモンドバター

nutspower/【砂糖不使用】 ALMOND BUTTER (Unsweetened)
良質な脂質と植物性タンパク質を手軽に摂れるアーモンドバターは、“低栄養にならないプラントベース”を考える上でも心強い存在。朝のトーストやスムージーにも。
発酵系フード



味噌や発酵食品は、腸内環境だけでなく、“巡る身体”を支える存在。最近では植物性ヨーグルトや手がるに購入できる発酵食品も増えています。
良質なオイル

オリーブオイルやアマニ油など、“脂を抜く”ではなく、“選ぶ”という感覚も大切にしたいところ。
“減らす美容”から、“機能する身体”へ
今回の研究で面白かったのは、ニンニクという昔ながらの食材が、最先端の老化・寿命研究につながっていることでした。ニンニクというと、「スタミナ」「匂い」「男性向け」というイメージを持つ人も多いかもしれません。でも今、注目されているのは、「NAD+」「eNAMPT」「フレイル」「視床下部」「臓器間コミュニケーション」といった、身体全体の連携という視点。脂肪は悪という思い込みも、そろそろアップデートされるタイミングなのかもしれません。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000182980.html



