「体にいい」だけでは続かない。五感で楽しむ、プラントベースのある暮らし
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体にいいものを選びたい。できるだけ自然な素材を取り入れたい。そう思いながらも、毎日の食事や暮らしの中ですべてを理想どおりにするのは、なかなか難しいものです。
体へのやさしさを大切にするあまり、食べる楽しさが後回しになってしまったり、健康や環境への配慮がいつの間にか負担になってしまったり。そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
「心地よく、ちょうどよく」を大切にしているKITTOISTのorange.blossomさんも、かつてはマクロビオティックや菜食にこだわりながら、食事を十分に楽しめなくなっていた時期があったといいます。
KITTOIST orange.blossomさん
そんな彼女が約5年前に出会ったのが、植物性の素材を中心に作られるロースイーツ。色鮮やかで、かわいらしく、何よりおいしい。その出会いをきっかけに、食べることの楽しさと体への配慮を、自分らしいバランスで考えるようになりました。
今回は、ロースイーツを中心としたお菓子とハーブの教室を主宰するorange.blossomさんに、五感で楽しむ食の選び方や、無理なくプラントベースを暮らしに取り入れるヒントを伺いました。
「ちょうどいい」は、自分の感覚にしっくりくること
orange.blossomさんが暮らしの中で大切にしているのは、「心地よく、ちょうどよく」という考え方です。
「ちょうどいい」という言葉には、条件に合っている、状況にふさわしいといった意味がありますが、彼女にとっては、もっと感覚的なものなのだそう。
「いい感じ、ぴったり、しっくりくる。感覚的に良くて、ズレなく合うというイメージです。違和感がないことも大切にしたいと思っています」
できるだけ自分の心と体が喜ぶものを選びながら、無理なく日常に取り入れる。頑張りすぎず、今の自分にとって心地よいかどうかを大切にすることが、orange.blossomさんの考える「ちょうどいい暮らし」です。
そこには、自分だけでなく、一緒に暮らす家族の心地よさも含まれています。
どれほど魅力的なものでも、今の暮らしに合わなければ無理に取り入れない。自分や家族の気持ちに耳を傾けながら選ぶことも、もの選びの大切な基準なのかもしれません。
かつての菜食生活では、食べることを楽しめなかった
orange.blossomさんが「心地よさ」を大切にするようになった背景には、過去の食生活で感じた経験があります。
若い頃、ダイエットや体調を整えるために、マクロビオティックや菜食にこだわり、プラントベースを中心とした食生活を送っていた時期がありました。
けれども、当時の彼女にとっては、どこか地味で味気なく感じられ、食事を心から楽しむことができなかったといいます。
「体にとって良いものだとは思っていたのですが、当時の私自身にとっては、あまり楽しくなくて。少し無理をしていたこともあり、長く続けることができませんでした」
もちろん、プラントベースの食事に対する感じ方は人それぞれ。これはあくまで、orange.blossomさん自身の経験です。
この出来事を通じて気づいたのは、体に必要だと思うものでも、おいしさや楽しさが伴わなければ、自分にとって心地よい習慣にはならないということでした。
そんな彼女の食への印象を変えたのが、約5年前に出会ったロースイーツです。
植物性の素材を使ったお菓子でありながら、色鮮やかでかわいらしく、食べることそのものが楽しい。体への配慮だけでなく、見た目や味わいにも魅力を感じ、すっかり夢中になったと振り返ります。
その出会いは、プラントベースを義務や制限として捉えるのではなく、自分から選びたくなるものとして楽しむきっかけになりました。
おいしいだけではない。五感で味わう食の楽しさ
orange.blossomさんにとって「いいもの」とは、五感が心地よいと感じるもの。
食べ物を選ぶときも、味だけでなく、香りや見た目、食感、食べる時間や空間まで含めて楽しむことを大切にしています。
例えば、食材そのもののおいしさをじんわり感じ、思わず笑みがこぼれるような味わい。吸い寄せられるような香りや、ハーブティーの茶葉から立ち上る香りも、心を満たしてくれるもののひとつです。
食材の彩りや盛り付け、お気に入りの器を使うことも大切にしている一方で、食事をする空間はできるだけ整えておきたいといいます。
そして、彼女が話してくれた中でも印象的だったのが、食卓の小さな音へのまなざしです。
「氷がふとカランと音を立てたり、マグカップをテーブルにそっと置いたときのコトンという音だったり。そんな日常の小さな音に気づけたとき、自分の中に余白があるように感じます」
温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに。カリッとしたものはその食感を楽しめる状態でいただくことも、彼女にとっては大切な心地よさです。
食材の栄養や原材料を知ることと同じくらい、食べる時間にどんな気持ちになれるかを大切にする。そんな視点があるだけで、いつもの食卓も少し違って見えてくるかもしれません。
「体にいい」より先に、「おいしい」があること
orange.blossomさんが主宰するお菓子教室では、ロースイーツを中心に、グルテンフリーのお菓子などを紹介しています。
材料を選ぶ際には、できるだけ農薬を使用せずに栽培されたものや、国産品、添加物の少ないものを選ぶようにしているそうです。
甘味料には、甜菜糖やアガベシロップ、メープルシロップなどを使い分け、小麦粉の代わりに米粉を使用することも大切にしています。
米粉を選ぶ背景には、素材としての使いやすさだけでなく、日本のお米や農家を応援したいという思いもあります。また、教室で学んだお菓子を自宅でも作れるよう、身近なスーパーやインターネットで手に入れやすい材料を意識しているそうです。
食材の特徴や栄養面にも目を向けながら、何より大切にしているのは「おいしいスイーツであること」。
「おいしいからこそ、取り入れたくなる。体にいいことばかりにフォーカスしすぎると、何事も続かないと思うんです」
教室に参加した方の中には、ローチョコレートを気に入り、市販のチョコレートを買わなくなったという人もいたそうです。orange.blossomさん自身も、ローチョコレートを常備しているといいます。
そしてもうひとつ、彼女が大切にしているのが、ロースイーツやグルテンフリーのお菓子を「選択肢のひとつ」として伝えることです。
特定の食べ方を正解とするのではなく、今まで知らなかったお菓子や素材に出会うことで、食の楽しみ方が広がっていく。そんなきっかけを届けたいと考えています。
家族4人の暮らしに合う、無理のないプラントベース
お菓子教室では植物性の素材を積極的に取り入れているorange.blossomさんですが、家庭での食生活については、理想どおりにいかないこともあると話します。
家族4人それぞれに食の好みがあり、毎日の食事をすべてプラントベースにするのは、現実的には難しいのだそう。
その中でも、豆腐や厚揚げ、豆乳など、普段の食卓になじみやすい大豆製品を取り入れたり、手作りのお菓子には乳製品や卵を使わないものを選んだりしています。
「家族にもプラントベースという選択肢を知ってほしいので、週に1回でも『プラントベースの日』を作れたらと思っています」
毎日でなくてもいい。すべてを変えなくてもいい。
家族の好みを大切にしながら、できることを少しずつ増やしていく。無理に習慣を変えようとするのではなく、楽しめるところから始めることが、orange.blossomさんらしい取り入れ方です。
プラントベースに興味はあっても、何から始めればいいかわからないという人にとっても、身近な食材や週に一度の食事から試してみることは、ひとつの方法になりそうです。
商品の背景にある、誰かを思う気持ちも選ぶ理由に
orange.blossomさんが商品を選ぶときに目を向けるのは、原材料や使い心地だけではありません。
その商品がどのように生まれ、どんな思いを持つ人たちによって作られているのか。企業理念や生産背景を知ることも、もの選びの大切な要素になっています。
自身のお菓子教室でも、「日々の心地よさを大切に、やさしいおいしさにあふれ、健康的でご機嫌な毎日を過ごす女性たちの未来の架け橋になりたい」という思いを持って活動しています。
だからこそ、同じように誰かを思い、丁寧に仕事をしている作り手や企業を応援したいのだそうです。
例えば、土づくりや原材料の選定を丁寧に行う生産者、環境や生き物への配慮を取り入れたものづくり、地域の中で食材や資源が循環する地産地消の取り組みなどにも関心があります。
「誰が、どんな思いで作っているのか」を知ることで、商品への見方が変わることもある。目の前にあるものの背景まで想像することが、選ぶ楽しさにつながっています。
長く使い続けるものは、理屈よりも「また使いたい」という感覚
食べ物だけでなく、香りやコスメなど、暮らしの中のアイテムを選ぶときにも、orange.blossomさんは自分の感覚を大切にしています。
長く愛用しているもののひとつが、薫玉堂のお香です。
「ふと、またあの香りを嗅ぎたくなる。ただ使いたくなる。そんな直感に合ったものこそ、長く使えているのかもしれません」
また、コスメではMiMCやナチュラグラッセを長く愛用し、メイク用品は必要以上に増やさないようにしているそうです。
参考にしているのは、北欧、暮らしの道具店で紹介されている「メイクボックスに収まるだけ」という考え方。
新しいものを次々と増やすよりも、自分が気に入って使い続けたいと思えるものを選ぶ。そんな小さな習慣にも、「心地よく、ちょうどよく」という彼女の価値観が表れています。
情報が多い時代だからこそ、自分の感覚をものさしに
今の暮らしには、おいしいものや便利なもの、魅力的な商品が数多くあります。
新しいものとの出会いは日々を豊かにしてくれる一方で、情報や選択肢が多すぎることに疲れてしまうこともあります。
そんなとき、orange.blossomさんが大切にしているのは、「自分なりのルール」を持つことです。
気になるものを見つけたら、それを使っている自分の気持ちや暮らしを少し想像してみる。そして、実際に取り入れてみる。違うと感じたら、無理に使い続けず、手放すこともあります。
その繰り返しによって、自分にとっての心地よさが少しずつ見えてくるのだそうです。
「SNSやネットからの情報もいいのですが、まずは自分が体感すること。それを選ぶ基準は『心地よさ』にあります」
人の口コミや商品の情報は、新しい選択肢を知るための大切なきっかけになります。ただ、最終的に自分の暮らしに合うかどうかは、自分の感覚も確かめながら選んでいきたいもの。
orange.blossomさんもKITTOISTとして、味や香り、パッケージデザイン、食材の特徴、そして作り手の思いなど、実際に触れたからこそわかる商品の魅力を伝えていきたいと考えています。
これから出会いたいのは、デーツやナツメ、クコの実を使ったお菓子、ハーブティーや漢方茶、植物性のバターなど。まだ知らないものを楽しみながら、自分の心地よさにつながる選択肢を増やしていきたいと話します。
体にいいから選ぶのではなく、おいしいから、心地いいから、また使いたいから選ぶ。
自分の五感や気持ちに耳を傾けながら、今の暮らしに合うものを見つけていくこと。それが、orange.blossomさんのもの選びの基準です。
「自分の暮らしを、もっと好きでいられるように」
心地よい選択を少しずつ重ねていくことが、自分らしい暮らしを育てていくのかもしれません。
KITTOIST PROFILE|orange.blossom

ロースイーツを中心に、グルテンフリーなど「心と体に優しいお菓子」、「暮らしとハーブ」を伝える教室を主催。
「心地よく、ちょうどよく」を大切に、五感で楽しむ食や暮らしについて発信している。
食材の選び方や生産背景、作り手の思いにも関心を持ち、家族の好みに寄り添いながらプラントベースの食を日常に取り入れている。&kitto公式アンバサダー「KITTOIST」として活動中。
Instagram:_orange.blossom_


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