「皮膚病に苦しむ動物を少しでも多く救いたい。」臨床から離れた獣医師の挑戦

公開日: 2024.3.7

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こちらの記事は、PRTimesの記事を抜粋させていただき、編集記事としてご紹介しています。

国内でも数少ない獣医皮膚科専門医が開発した、プレバイオティクス/プロバイオティクスに着目した犬猫用ブランド「FINAL ANSWER」をご存じだろうか。


犬猫の皮膚/腸健康維持に貢献する「サプリメント」と「スキンケアスプレー」を展開し、多くの犬・猫の皮膚トラブルを解決している。プレバイオティクス/プロバイオティクスに着目し製品開発されたこちらの製品は、使い方にも知識が必要になってくる。医療分野においても次世代のスタンダードとなりつつあるプレバイオティクス/プロバイオティクス分野は、現代のスタンダードを理解していない獣医師には使いこなせず、この分野の成長を妨げてしまうリスクもあるという。

開発者は、製品を出来るだけ多くの獣医師/動物病院に使ってもらうのではなく、「使いこなせない獣医師には使って欲しくない」という新たな販売マーケティングを展開する狙いと、製品開発に至った裏側のストーリーをご紹介します。

動物を救う担い手である獣医療従事者に笑顔が少ない事に心を痛め、「動物を笑顔にする人を笑顔にする」動物病院を創ることに


製品を立ち上げに至るまでには、サーカス動物病院の設立を経て、「動物を笑顔にする人を笑顔にしたい」との想いから開院に至ったそう。開発者の豊田氏が大学を卒業した当時の獣医師を取り巻く労働環境は、過酷でいわゆるブラック業界と呼ばれても仕方がない状況だったという(現在は改善されてきている)。当時の動物病院業界は、社会保険の加入率が半分にも満たないという話もあったという。


「命は尊く、動物を救うために死ぬ気で頑張る」
これは正しい正義感だと思います。だからこそ、穿った見方をすると「タチが悪い」とも感じています。

「動物病院に訪れる動物の命を全力で救おうとするあまり、救い手である獣医師が自己犠牲を払い、心と身体がボロボロになってしまう」このような状況が当たり前となってしまうから。

朝の7時から夜の10時まで働き、帰宅後に勉強して一日を終える、そんな過酷な労働環境に長年耐えられる獣医師ばかりではなく、ひとりまたひとりと知人・友人が動物病院業界を去っていった。学生時代から一生懸命努力して手にした「子供の頃からの夢」である獣医師のキャリアを手放さざる得なくなった仲間も、数多く見てきた。そして、次第にこう思うようになったと語る豊田氏。

「このままだと未来に希望を渡せなくなる」

動物のために尽くすことはとても素晴らしいこと。しかし、その裏で獣医師の人生、キャリアを犠牲にしていいはずがありません。そして、獣医師となって2年を過ぎたころ、務めていた動物病院を退職し、「動物を笑顔にする人を笑顔にする」ことを実現するため、サーカス動物病院を設立するに至った。

全領域を担当するが故の専門医/専門診療の圧倒的不足

動物病院を開院した後、目下の課題は「動物病院の皮膚・耳科医療レベルの向上」でした。動物病院における皮膚・耳鼻科診療の割合は、4割を超える。しかし、先述した通り獣医師の業務は多忙。

基本的に専門科をもつ医師とは異なり、獣医師は外科、歯科、産婦人科、皮膚科、耳鼻科など全ての診療を担う。一つの分野に絞ることなく診療を行わなければならない特性上、診察の対応や医療スキルは、教育者の方針や獣医師を取り巻く環境に左右され、結果として、1つ1つの診療科のレベルを高くしづらい傾向にあることも問題だったという。


緊急度を鑑みると、皮膚科の病気よりも命に関わる病気が優先されてしまう傾向があり、そのため、皮膚科の患者数は多いのに、重視されにくいといういびつな状況が生じてしまっている。そこで、私たちは皮膚科診療における需要と供給のギャップを埋めることが急務だと考え次なる行動をとったそう。

Instagramを通して見えてきた「飼い主さんが直面している地域医療格差」の声

皮膚科診療のギャップを埋めるため、獣医皮膚科医の出張診察事業を開始。全国の動物病院と提携し、弊社の獣医皮膚科医が出張で診察に伺い、高度な獣医皮膚科医療を提供するというビジネスモデル。

次に行ったのが、Instagramでの獣医皮膚科に関する情報発信。先述の通り、獣医師のスキルや知識にはばらつきがあるため、獣医師に教育する立場である獣医皮膚科専門医が、直接飼い主さんに情報を提供する事が大事だと考えた。実際、診療に来た方の中にも、獣医師から長年間違った指示を受けていたケースが少なくないという。


Instagramでの発信を通じて情報格差を埋め、ホームケアの促進や正しい皮膚病知識の浸透がなされれば、それだけ多くの動物とご家族を救えることになる。そして、日本でも数少ない獣医皮膚科専門医のいる当院だからこそ、正しい情報を発信する意義があると考えているそう。

「動物病院へ診療に来てもらえるのは、経営者としては非常に喜ばしいことです。しかし、施設として診療できる数には限界があります。何より、自分達の動物病院に診察に来られない動物とご家族には何も価値を届けないというのは性に合わないので、情報発信を続けています。知識が古すぎたり、間違った認識をしていたりする飼い主さんを減らすことで、社会的課題の解決にもつなげたいと考えています。」と述べる豊田氏。

当院に来るのが難しい方のために、長期的目線で体を内側/外側からケアできる製品を開発

FINAL ANSWER製品を開発したのは、当院に来るのが難しい方をはじめとして、これまで希望を届けきれていなかった動物とご家族達を救いたいと考えから。体中の常在細菌叢(じょうざいさいきんそう)に着目し、長期的な目線で体を内側/外側からケアできる製品の開発を行っている。


「FINAL ANSWER No.1」と呼ばれる腸内環境を整えるサプリメント。プレバイオティクス(ケストース)、バイオジェニックス(乳酸菌の1種であるパラカゼイ菌FA01株)の成分から構成され、腸内環境をを豊かにする菌活サプリメント。


皮膚のバリア機能を支える「FINAL ANSWER No.2スキンケアスプレー」。
皮膚には、腸内と同様に細菌叢が存在し、皮膚病は、皮膚細菌叢もしくは腸内細菌叢のバランスが崩れることが、発症のリスクを高める要因に。

人間同様、動物においても保湿をはじめとしたスキンケアの有用性は、多くの研究によって明らかになってきているため、だからこそ、「身体の内側から皮膚の健康を考える」をコンセプトにするNo.1と、「皮膚に直接働きかけ、皮膚の恒常性を維持する」というコンセプトのNo.2を開発。社名になっている「FINAL ANSWER」には、皮膚や耳、そして腸の健康に悩む動物とご家族にとっての「最後の答え」になりたい、という想いが込められている。


FINAL ANSWER 代表獣医師 豊田陽一氏(左)、同社役員 獣医皮膚科専門医の伊從 慶太氏(右)

VEGAN’S LIFE編集部では、今回こちらの商品開発ストーリーを拝見させていただく機会がありまして、ぜひ、皮膚病などで悩む犬・猫を飼っていらっしゃる方に届けという思いで寄稿させていただきました。たくさんの、犬・猫ちゃんたちが心地よく暮らせる未来になりますように。

https://final-answer.co.jp/

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