豆乳は、飲むから醸すへ。大豆から生まれた新しいお酒『SOYVIGNON』

公開日: 2026.10.14

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豆乳といえば、そのまま飲んだり、牛乳の代わりに料理やスイーツに使ったりと、今では私たちの暮らしにすっかり身近な植物性ミルクのひとつです。そんな豆乳に、これまでとは少し違う新しい楽しみ方が生まれました。

(左:梅乃宿酒造・吉田佳代社長 右:料理家・minokamo 長尾朋子氏)


奈良県葛城市で1893年に創業した梅乃宿酒造から2026年10月19日(月)に発売される「SOYVIGNON(ソイヴィニヨン)」は、低脂肪豆乳を清酒酵母で発酵させて造るリキュールです。豆乳の風味をお酒に加えたものではなく、大豆から生まれた豆乳そのものを“醸す”という発想から生まれており、これまでの豆乳のイメージを少し変えてくれそうな一杯です。

豆乳を清酒酵母で発酵し、白ワインのような味わいへ

「SOYVIGNON」に使われているのは、不二製油が開発した「USS製法」から生まれる低脂肪豆乳です。USS製法とは、大豆を「豆乳クリーム」と「低脂肪豆乳」に分離する技術で、SOYVIGNONではこの低脂肪豆乳を、日本酒の吟醸造りにも使用される「きょうかい酵母901号」でじっくりと発酵させています。

発酵の過程では、甘味や酸味、アルコールのバランスを見極めながら、白ワインのような味わいになるタイミングで発酵を止め、最後は袋吊りで丁寧に搾って仕上げられています。豆乳と聞いてまず思い浮かぶ、まろやかで濃厚な味とは少し異なり、やや辛口ですっきりとした酸味があり、そこに穏やかで華やかな香りが重なるのが特徴です。

アルコール度数は10%で、酸化防止剤は使用されていません。豆乳という身近な素材から生まれている一方で、味わいの方向性は白ワインにも近く、単なる変わり種のリキュールではなく、食事と一緒に楽しめるお酒として設計されていることが伝わってきます。

「豆乳味のお酒」ではなく、大豆そのものを“醸す”という発想

SOYVIGNONの面白さは、豆乳らしい味わいをお酒に足すことではなく、豆乳を発酵させることそのものに挑戦している点にあります。

商品化までには約5年を要し、豆乳特有の風味をどのように整えるのか、低脂肪豆乳を発酵させたときにどのような香りや酸味が生まれるのか、さらに安定して製造するためにはどのような条件が必要なのかといった点を一つずつ検証しながら、試行錯誤を重ねてきたといいます。

5代目蔵元 吉田佳代 氏


営業本部 本部長 宮澤幸彦 氏


梅乃宿酒造によると、USS製法による低脂肪豆乳を清酒酵母で発酵させた市販のリキュールは世界初とのことで、その点からも、この商品が単なる新フレーバーではなく、大豆という素材の新しい可能性を形にしたものだということが分かります。

大豆は「何かの代わり」だけではない

近年は、豆乳や大豆ミート、ソイヨーグルト、植物性チーズなど、プラントベースの選択肢が広がり、大豆はますます身近な存在になっています。その一方で、大豆はしばしば、牛乳や肉など動物性食品の“代替”として語られる素材でもあります。

もちろん、食の選択肢を広げてくれることは、大豆が持つ大きな価値のひとつです。ただ、大豆の魅力は「何かの代わりになれること」だけではありません。

日本では昔から、味噌、醤油、納豆といった発酵食品を通じて、大豆に手を加えることで、そのまま食べるときとはまったく異なる味や香りを生み出してきました。そう考えると、豆乳を発酵させてお酒にするSOYVIGNONも、大豆と発酵の長い関係を現代的に広げたものとして見ることができます。

「牛乳の代わりの豆乳」や「肉の代わりの大豆ミート」ではなく、大豆だからこそ生まれる味や体験を楽しむ。その視点に立つと、SOYVIGNONは、プラントベースという選択肢が次の段階に進みつつあることを感じさせる商品でもあります。

食事と一緒に楽しむ、SOYのお酒

SOYVIGNONは、食後に甘く楽しむリキュールというより、食事に寄り添う一杯として提案されています。
白ワインを思わせる酸味と軽やかさがあるため、さっぱりとした料理との相性が良く、梅乃宿酒造ではカルパッチョなどとのペアリングを紹介しています。また、白ワインのように料理酒として使うこともできるそう。

発表会当日は、料理家であり写真家で「体を強くする豆腐料理」など多数の著書やメディアでも活躍するminokamo(長尾明子)さんが豆腐と豆乳で叶えるご自愛晩酌をテーマにしたお料理を提供してくれました。

料理家・minokamo(長尾明子)さん




大豆からできているからといって、和食だけに合わせる必要はありません。野菜料理や洋食、エスニックなど、どんな料理と合わせると新しい表情が見つかるのかを探すこと自体も、このお酒の楽しみ方のひとつになりそうです。

豆乳のお酒と聞くと、最初は少し意外に感じるかもしれませんが、実際には豆乳らしさを前面に出した味ではなく、発酵によって生まれる酸味や香りを楽しむ設計になっています。豆乳そのものに親しみがある人はもちろん、これまで豆乳をあまり好んで飲んでこなかった人にとっても、まったく別の角度から大豆の魅力を知るきっかけになるかもしれません。

大豆から、新しい「お酒の文化」が生まれるか

豆乳を飲む、豆乳で料理をつくる、そして豆乳を醸してお酒をつくる。
SOYVIGNONから見えてくるのは、新商品がひとつ増えたということだけではありません。植物性の素材を、動物性食品の代わりとして使うだけではなく、その素材だからこそ生まれる新しい味や体験をつくっていくことも、これからのプラントベースの広がり方のひとつです。

日本人の食卓と長く付き合ってきた大豆は、味噌や醤油、納豆といった発酵文化を育みながら、時代に合わせてさまざまな形に姿を変えてきました。その大豆が今度は、清酒酵母と出会い、白ワインのように楽しむお酒へと姿を変えています。
大豆を「何かの代わり」として見るのではなく、ひとつの素材として、その可能性そのものを楽しむこと。SOYVIGNONは、そんな新しい視点を食卓に持ち込んでくれる存在になりそうです。

【商品情報】
商品名:SOYVIGNON(ソイヴィニヨン)
発売日:2026年10月19日(月)
品目:リキュール
原材料:豆乳(国内製造)、大豆胚芽抽出物、糖類/クエン酸
アルコール度数:10%
容量:720mL
価格:1,500円(税込)
販売:梅乃宿酒造公式オンラインショップ、梅乃宿酒造直営店

https://shop.umenoyado.com/

服部めぐみ

VEGAN’S LIFE編集長

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ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター。美容・食・サステナブル領域を専門とするエディター。生産者やブランドの哲学を伝える取材・編集を行う。「未来に残したい価値を、読者の心に残るコンテンツへ。」をテーマに、プラントベースを軸とした新しいライフスタイルを発信している。

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