アムリターラ15周年インタビュー|創業者・勝田小百合さんが語る、「変わらないために変わる」ブランドの哲学
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表参道店15周年記念・創業者インタビュー【第1章/全4回】
Editor's Note
本記事は、日本の老舗オーガニックブランド「アムリターラ」表参道店15周年を記念した全4回の特集インタビューです。日本でまだオーガニックコスメという言葉が一般的ではなかった時代にブランドを立ち上げた背景から、ものづくりへの哲学、日本の生産者とともに歩む理由、そして未来へつなぎたい想いまで──。
創業者・勝田小百合 氏に、ブランドの歩みをじっくりと伺いました。
【全4回構成】
第1章|「変わらないために変わる。」アムリターラの原点
第2章|認証より、本質を。アムリターラが貫くものづくり
第3章|日本の食文化を未来へつなぐ。生産者とともに歩む理由
第4章|表参道店から、次の15年へ。未来へつなぐブランドの想い
「変わらないために変わる。」
この言葉には、15周年を迎えたアムリターラが歩んできた時間そのものが込められています。
今では「オーガニック」や「ナチュラル」という言葉を目にする機会は珍しくありません。しかし、アムリターラが誕生した約18年前、日本ではまだ本格的なオーガニックコスメはほとんど知られていない存在でした。
本当に肌と身体によいものを届けたい。
その想いだけを胸に、日本初の本格オーガニックコスメづくりへ挑戦した一人の女性がいます。
アムリターラ創業者・勝田小百合 氏です。
2026年、ブランドの象徴でもある表参道店は15周年を迎え、リニューアルオープンしました。
節目を迎えた今だからこそ、改めて振り返りたいのは、ブランドが何を守り、何を変えながら歩んできたのかということ。第1章では、アムリターラ誕生の背景と、ブランドの価値観を大きく育てた出来事について伺いました。
日本初の本格オーガニックコスメを目指して
「ブランドを始めた18年前、日本には本格的なオーガニックコスメをつくる環境がほとんどありませんでした。」
勝田 氏は当時をそう振り返ります。
海外ではすでにオーガニックコスメが広がり始めていましたが、日本ではまだ「オーガニック」という言葉自体が一般的ではありませんでした。もちろん、私が最初にコスメの開発をスタートした20年前には認証を取得した国産コスメも、製造できる工場もまったくありませんでした。
「工場を何社も訪ね歩いたんですが、『そんなものはつくれない』『前例がない』と言われることがほとんどでした。」
それでも諦めなかった理由は、とてもシンプルでした。
自分が本当に使いたいものを、日本でつくりたい、そんな想いに共感してくれた一つの工場との出会いが、大きな転機となります。
「工場長が新しいものづくりに積極的な方だったんです。そして営業担当の方は、奥様がフランスへ留学されていて、ヨーロッパではオーガニックが当たり前になっていることをご存じでした。『これから日本でも必要になるはずだから、一緒にやってみよう。』そう言ってくださったんです。」
この出会いが、日本初の本格オーガニックコスメ誕生への第一歩となりました。
東日本大震災が教えてくれたこと
ブランドにとって、もう一つ忘れることのできない出来事があります。2011年3月11日に発生した東日本大震災です。実は、表参道店は震災前からオープンが決まっていました。契約が済んだ矢先の出来事でした。
「街から人がいなくなってしまって、『本当に今、お店を開いていいのだろうか』と何度も考えました。」
そんな中、勝田 氏は石巻へカイロプラクティックのスタッフたちとボランティアに向かいます。避難所を訪れ、100人以上の方へ施術を行い、一人ひとりと言葉を交わしました。家族を亡くした人。家を失った人。それでも前を向いて生きようとする人たち。
「励ましに行ったつもりだったのに、元気をもらったのは私の方でした。」その経験は、ブランドだけではなく、自身の人生観までも変えていきます。
「実は、東京を離れて暮らすことも考えていました。でも、日本全体が元気をなくしているときに、自分だけが離れるのは違うんじゃないかと思ったんです。今こそ東京から、日本を元気にすることが私の役割なんじゃないか、と。」
その想いを胸に、震災からわずか3か月後の2011年6月。アムリターラ表参道店がオープンしました。
「ここなら安心できる」
ブランドが目指した場所。
震災を経て、勝田 氏の中で一つの想いがより明確になりました。
それは、「ここに来たら安心できる。」そんな場所をつくること。
化粧品だけではありません。食品も、サプリメントも、そして店舗という空間そのものも。すべてに共通する基準は、「自分自身が心から安心できるかどうか」でした。
「昔から食品を買うときは裏ラベルを必ず見ていました。でも、それだけでは分からないこともあるんです。生産者に電話をしたり、調べたりしているうちに、『これではキリがないので、だったら、自分達で安心出来る食品ブランドをつくろう』と思いました。」
その言葉どおり、勝田 氏は原材料を確かめ、生産者のもとへ足を運び、ときには自主的に検査まで行いながら商品づくりを続けてきました。目指していたのは、流行の商品ではありません。「ここに来たら、裏ラベルを見なくても安心できる。」そう思っていただけるブランドになることでした。
「変わらないために変わる」
15周年を迎えた表参道店は、この節目にリニューアルを行いました。
けれど、それはブランドを変えるためではありません。守り続けたいものを、これからも守り続けるため。
「変わらないために変わる。」
その言葉には、18年間積み重ねてきた挑戦と、決して譲らなかった価値観が込められています。
効率よりも、本質を。流行よりも、本当に必要なものを。その姿勢こそが、15年という時間を経てもなお、多くの人に支持され続ける理由なのかもしれません。
次回予告|第2章「認証より、本質を。」
アムリターラが創業以来貫いてきたのは、「認証を取得すること」ではなく、「本当に肌と身体によいものを届けること」。
なぜ防腐剤や乳化剤にこだわるのか。なぜ認証だけを基準にしないのか。
そして、日本各地の小さな生産者とともに歩む理由とは。第2章では、アムリターラのものづくりの哲学に迫ります。



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