京都で五感を澄ます。OSAJI「お匙 京都」で出会う、食と香りと美容の新しい体験

公開日: 2026.9.14

特集

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京都を旅すると、寺社や建築、食、工芸など、この街に長く積み重なってきた時間に触れる場面が多くあります。そんな京都で、今回立ち寄ったのが、スキンケアやメイクアップで知られるOSAJIが手がける「お匙 京都」。


2026年4月、京都・御所南エリアにオープンした、OSAJI初のグローバルコンセプトストアです。江戸時代に日本酒の酒蔵として建てられた京町家を改修し、「醸す」をテーマに、スキンケア、食、香り、アートなどを通してOSAJIの美容理念を体験できる場所として誕生しました。

化粧品を買うためだけのショップではありません。
庭に流れる水の音に耳を澄ませ、食材の色や香りを味わい、香りを調合し、肌に触れる。
実際に訪れてみると、「美容」という言葉をもっと広く捉えた、自分の感覚を整えるための場所のように感じました。

江戸時代の酒蔵に流れる、静かな時間

建物の奥へ進むと目に入るのが、緑に囲まれた庭。
石や木、苔、流れる水。


街の中にいることを一瞬忘れてしまうような静けさがあります。
OSAJIが京都店のテーマに掲げているのは「醸す」。

この建物がかつて酒蔵だったこと、そして日本に根付いてきた養生の文化から着想を得ているといいます。店舗にはOSAJIのアイテムを体験できるSALON、発酵をテーマにした食を楽しめるBAR、香りの調香体験を行うLAB、さらにブランド初となるGALLERYが設けられています。


新しいものを次々と見せるのではなく、その場所にあった時間や素材を残しながら、現代の感覚を重ねていく。
京都という土地とOSAJIの考え方が、自然につながっているようにも感じます。

甘酒や米粉、野菜。OSAJIが考える「食養生」

VEGANS LIFEとして特に注目したいのが、BARで提供される食の提案です。
こちらはヴィーガン専門店ではありません。

一方で、甘酒や米粉、野菜などを取り入れながら、心と体の健やかさを考えた「食養生」を提案しています。
OSAJIのシグネチャードリンクである甘酒をアレンジした「甘酒スムージー」や、米粉を使用した焼き菓子などが楽しめるのも京都店ならでは。


今回いただいたのは、米粉を使った「きゅうり・白味噌ソース・バジル」のマフィン。


一般的なマフィンというと、甘い焼き菓子を想像しますが、こちらは野菜や味噌を取り入れた食事系。
ショーケースには器とともに一つひとつ美しく並べられ、食べる前から素材の組み合わせに興味を引かれます。


そしてもう一つ印象的だったのが、鮮やかな色のドリンク。
グラスの中の色や、スタッフが目の前で一杯を仕上げていく様子も含め、ここでは「何を摂るか」だけではなく、見る、香る、味わうという一連の時間そのものが食体験になっているようでした。

「体にいいから選ぶ」。
それだけでは少し味気ない。

お匙 京都では、発酵や植物の恵みを、まず「おいしそう」「きれい」「気になる」と感じるところから食に近づける。
VEGANS LIFEが大切にしたい、我慢ではなく選択肢を広げていく食のあり方とも重なります。

スキンケアの先にあったのは、“暮らし”だった

OSAJIと聞くと、スキンケアやメイクアップを思い浮かべる方が多いはず。
けれど、お匙 京都にいると、OSAJIが考える美容は肌だけで完結していないことに気づきます。

何を食べるのか。
どんな香りの中で過ごすのか。
何に触れ、何を美しいと感じるのか。


京都店では、OSAJIのスキンケアや暮らしのアイテムを扱うSALONに加え、ホームフレグランス「kako(家香)」による香りの調合体験も用意されています。自分のための香りを調合し、線香として持ち帰ることができる京都店限定の体験です。


OSAJIはこの場所を、健やかで美しい皮膚を保つための「暮らしの処方」を受け取る場所と表現しています。
実際に訪れて感じたのも、まさにその感覚でした。
化粧品を塗ることだけが美容ではない。


静かな場所に身を置くことも、季節のものを味わうことも、好きな香りを見つけることも、自分を整える行為のひとつ。
コスメブランドのショップという先入観を持って訪れると、その世界観の広さに少し驚かされます。

秋の京都旅に、あえて「余白」の時間を

秋の京都といえば、紅葉や寺社巡りを目当てに予定を詰め込みたくなる季節。
けれど、一日中歩き続ける旅の途中に、こうした場所で静かな時間を過ごすのも京都の楽しみ方のひとつだと思います。
「お匙 京都」があるのは御所南エリア。
地下鉄烏丸線・丸太町駅から徒歩約6分。京都御苑周辺の散策と組み合わせたり、御池周辺からゆっくり街歩きをしながら向かうのにもいい立地です。


秋の光がやわらかくなる季節には、庭の緑や町家の木の質感も、また違った表情を見せてくれそうです。
紅葉の名所を巡るだけではなく、京都で少し感覚を休ませる時間をつくる。
そんな旅の一軒として覚えておきたい場所です。

ヴィーガンかどうかだけで、食を選ばない

「お匙 京都」は、完全ヴィーガンを掲げる場所ではありません。
だからこそ今回紹介したいと思った理由があります。

植物性の素材や米粉、発酵、野菜などを、ごく自然に食の選択肢として取り入れていること。
ヴィーガンか、そうでないか。
グルテンフリーか、そうでないか。
カテゴリーを先に決めるのではなく、自分の体や感覚に耳を澄ませながら、そのとき心地よいものを選ぶ。
そうした食との付き合い方が、これからもっと広がっていけばいい。


美容、食、香り、空間。
さまざまな要素を通して五感に働きかける「お匙 京都」は、京都という街でOSAJIの新しい一面に出会える場所でした。
秋の京都を訪れるなら、予定と予定の間に少しだけ余白をつくって、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

店舗情報

お匙 京都
京都府京都市中京区堺町通二条上る亀屋町172
営業時間:10:00〜18:00
飲食L.O. 17:30
定休日:月曜日 ※祝日の場合は翌平日
地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩約6分。席の予約は受け付けていません。

https://osaji.net/pages/kyoto

服部めぐみ

VEGAN’S LIFE編集長

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ヴィーガン検定1級/発酵食品マイスター。美容・食・サステナブル領域を専門とするエディター。生産者やブランドの哲学を伝える取材・編集を行う。「未来に残したい価値を、読者の心に残るコンテンツへ。」をテーマに、プラントベースを軸とした新しいライフスタイルを発信している。

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